音楽プロデューサー・作詞家の秋元康氏(67)が1日、自身が総合プロデュースを行うシアターボーイズプロジェクト「Cloud ten」の初シアター公演『We're Cloud ten』公開ゲネプロに登場。メディアの囲み取材で、きょう2日にシアターデビューを果たす「Cloud ten」メンバーの門出にエールを送った。
3社による次世代男性アーティスト育成プロジェクト
「Cloud ten」は株式会社Y&N Brothers、三井不動産株式会社、株式会社東京ドームの3社による、次世代の男性アーティストを育成するシアターボーイズプロジェクト。2025年夏から全国規模のオーディションを実施し、最終合宿を経て選ばれた個性豊かな30人のメンバーが所属する。専用シアター『Cloud ten THEATER』は、ダイバーシティ東京 プラザ6Fにきょう2日よりグランドオープンする。
「初めの種は、確かに今回撒けた」
シアターのオープンを翌日に控え、秋元氏は「まだ本当に始まったばかり。僕の経験から言うと、これからはファンの皆さんが育ててくれる。初めの種は、確かに今回撒けたと思うんですが、それから芽が出るか、花が咲くか、実ができるかまでは、お客さまがどれだけ来てくださって、アドバイスして、育ててくれるかにかかっていると思います」と話した。
公演を観た感想は「思ったより頑張っているなと思いました。もっと荒削りというか、素人っぽいかなと思ったんですけど、一生懸命さが伝わってきた。テクニカルなことであるとか、歌唱力であるとか、まだまだ課題はいっぱいありますが、でも、この劇場に来てくださった皆さんには、“何か”が伝わると思います」と期待を寄せた。
AKB48劇場をほうふつとさせる専用シアター
秋葉原のAKB48劇場を彷彿とさせるお台場の専用シアター。秋元氏は会場を見渡し、「AKB48劇場を作ったときは、本当にみんな素人で。どうやっていいか分からないまま作っていたので、ここはすごく見やすいし、心地よかったなと思います」と、20年前に初めて作ったアイドルの専用劇場と比べて笑顔を見せた。
「あとは、ここにどんな物語が生まれるのか。AKB48劇場には2本の邪魔な柱がある。でも、その柱があることによって、推しのメンバーが一番見える席をファンたちで話し合って、だんだんここは誰々席、ここは誰々席と決まり、ストーリーが生まれた。だから、1周年を迎えたときに『むしろ柱が邪魔なのではなくて大切だから、1周年記念ごとにピンクのテープを巻こう』ということで、去年20本目が巻かれ、ファンクラブの名前を“柱の会”にしたりと、ストーリーなんですよね。だからこのシアターも、ここからどんな物語が生まれるかを僕自身も楽しみにしていますし、それをお客さんと共有できたらいいなと思います」と想いを馳せた。
「何も考えていない」
30人の男性アイドルプロジェクトはこれまでにない試み。AKB48の選抜総選挙のような構想はあるかと問われると、秋元氏は「AKB48の時もそうでしたけど、何も考えていない」ときっぱり。その上で「こういうグループというのは、ファンの皆さんの思いをどれだけ制作側が感じるかだと思う」と持論を語った。
総選挙もファンの声から生まれた企画だという。「AKB48の時も、元々は僕がセンターを前田敦子で行こうというところから始まったわけですけども、お客さんから『いや、他にもいっぱい良いメンバーがいるじゃないか』という声から、『じゃあみんなで誰がセンターにふさわしいかを投票する総選挙をやろう』という、ファンの皆さんに背中を押された形で始まった企画です。ですから、たぶん今後のCloud tenも、ファンの皆さんが手を叩く方向に向かって、作られていくんじゃないかなと思います」と、元々話していた“コンセプトはない”というプロデュース方針を語った。
「根拠のない自信を持て」
さまざまなグループを手掛ける秋元氏は、Cloud tenを含めて自身は「何も区別していない」と話す。「『何か色をつけよう』というのがないんです。たとえば、以前スタッフやメンバーが『乃木坂46らしさって何でしょう?』とよくみんな語り合っていたんですけど、目指すものではない。みんなが個性的に自由にした結果、集まった集団が『乃木坂46らしさ』なんですよ。だから今僕がプロデュースしても、『こういうグループを作りたいんだ』とか、『ほかとの違いはここなんです』というのを明確に打ち出すよりも、こういうイメージの楽曲を16曲書いたので『これをやってごらん』と。そのうちに必ず出てくるんですよね。『こういうのがCloud tenらしさなのか』とか『Cloud tenってこうだよね』ってファンの皆さんが言い始める。だから1年後に『Cloud tenってこうですよね』『他のグループとはこう違いますよね』ということを、お客さまやファンの皆さんから僕が教えてもらうんじゃないかなと思うんですよね」と述べた。
メンバーへのアドバイスを問われると「基本的に僕はマネジメントにタッチしていない」と前置きしつつ、「もし、僕からするとしたら『根拠のない自信を持て』と言いたい」とコメント。「根拠のある自信は、その根拠が崩れたときにどうしたらいいか分からなくなる。だから根拠のない自信を持って、それで突っ走れと。右か左か迷ったら、信じた直感の方を走れ。で、間違ってたら戻ってくればいい。戻ってきて『あ、反対だったか』と別の道を走ればいい。これが若さなんですよね。若いから戻ってくる力があるわけですよ。彼らはまだまだ若いので、思う存分根拠のない自信を持ってほしい。失敗したら失敗した、あるいはスタッフから『そっちは違うと思うよ』という意見を聞いたりしながら多分成長していくと思うんです」と伝えた。



