漫画「ヒカルの碁」の囲碁ブームが中国で再燃、若者に広がる理由
漫画「ヒカルの碁」囲碁ブーム中国再燃の理由

漫画『ヒカルの碁』(原作:ほったゆみ、作画:小畑健)が中国で再び囲碁ブームを引き起こしている。1998年から2003年まで週刊少年ジャンプで連載された同作は、主人公・進藤ヒカルが平安時代の棋士・藤原佐為の霊に導かれ囲碁の世界にのめり込む物語。中国では2000年代初頭に翻訳版が広まり、今回の再燃はSNSや動画配信プラットフォームを通じて若い世代に再発見されたことが要因だ。

中国での囲碁ブーム再燃の背景

中国の囲碁協会によると、2023年の囲碁教室の入会者数は前年比で30%増加し、その多くが10代から20代の若者だ。この急増の背景には、漫画『ヒカルの碁』の存在がある。中国のSNS「微博(ウェイボー)」では「#ヒカルの碁囲碁ブーム」のハッシュタグが1億回以上の閲覧を記録。動画サイト「ビリビリ」では同作のアニメ版が再編集され、再生回数は5000万回を超えた。

中国の囲碁ファンである李さん(22歳)は「漫画を読んで囲碁を始めた。佐為の一手一手が美しく、実際に打ってみたくなった」と語る。また、囲碁インストラクターの王さん(35歳)は「『ヒカルの碁』は囲碁のルールを知らなくても楽しめる。それが新規層を取り込む原動力になっている」と指摘する。

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デジタル時代の普及と原作の魅力

今回のブームは、単なるノスタルジーではなく、デジタル技術と原作の普遍的な魅力が融合した結果だ。中国ではスマートフォン向け囲碁アプリのダウンロード数が2023年に前年比50%増加。特に「腾讯囲碁」や「野狐囲碁」などのプラットフォームでは、漫画のキャラクターを模したアバターや棋譜解説機能が人気を集めている。

原作漫画の電子書籍販売も好調で、2023年の中国市場での売上は前年比40%増。出版社関係者は「『ヒカルの碁』は囲碁の戦略性と人間ドラマを融合させた作品。時代を超えて愛される理由は、単なる囲碁漫画ではなく、成長物語としての普遍性にある」と分析する。

囲碁文化の継承と新たな展開

中国囲碁協会の張副会長は「『ヒカルの碁』は囲碁の敷居を下げ、多くの若者に扉を開いた。今後も漫画やアニメを通じた普及活動を強化したい」と述べる。実際、同協会は2024年から『ヒカルの碁』をテーマにした囲碁イベントを全国で開催する計画だ。

一方、日本でも『ヒカルの碁』の影響は大きく、2023年には囲碁人口が10年ぶりに増加に転じた。日本棋院の統計では、20代以下の囲碁人口が前年比15%増加。同棋院の広報担当者は「漫画の力で囲碁の魅力が再認識されている。中国でのブームは日本にも波及効果をもたらしている」と語る。

このように、『ヒカルの碁』は20年以上の時を経て、国境を越えた囲碁ブームを牽引している。デジタル時代の新たな形で、伝統文化の継承に一役買っていると言えるだろう。

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