日米合作ブロードウェイミュージカル『フル・モンティ』が19日、東京国際フォーラムホールCで開幕した。初日を前日に控えた18日、同劇場で初日前会見が行われ、主演の山本耕史、共演のお笑い芸人ゆりやんレトリィバァ、演出家のトレイ・エレット氏が登場。山本はバスローブ姿で現れ、作品への意気込みを語った。
日米合作で新たな挑戦
本作は1997年のイギリス映画『フル・モンティ』を原作に、舞台をニューヨーク州の田舎町バッファローに移して舞台化されたブロードウェイミュージカル。2000年10月にブロードウェイで初演され、翌2001年のトニー賞では作品賞を含む9部門にノミネートされた。日本では2002年に東京、大阪、福岡で来日公演が行われ、2014年には福田雄一演出、山田孝之主演による日本語版が上演された。2026年夏、初の日米合同キャストで再演される運びとなった。
主演のジェリー役を務めるのは、日米合作『RENT』(2024年)にも出演して好評を博した山本耕史。現在ロサンゼルスを拠点に、芸人・俳優・映画監督としてグローバルに活躍するゆりやんレトリィバァが、本作でミュージカル初挑戦を果たす。
山本耕史、英語の壁に苦闘
トレイ・エレット氏は、山本を起用した理由について「2年前に初めて『RENT』でご一緒させていただいたときに、この山本耕史という人物ともう1度何かでご一緒したいと思いました。こちらの作品は、自分自身が非常に好きということもありますし、耕史さんにやっていただく役の父親像や夫像…すべてが彼にぴったりだなと。歌も踊りもすべて必要な役どころですし、そう考えたときにもう彼しかいないと思いました」と語った。
これに対し山本は「全編英語上演ですごくチャレンジングですけど、トレイは同じ役(『RENT』のマーク役)をやった経験もあって、安心できる演出家なので、ここはもうトレイさんに委ねてみようと思って。お話をいただいたときはうれしかったです」と笑顔を見せた。しかし、実際の全編英語上演については「ある程度分かっている『RENT』でやるのとはまた違って、全く知らない作品、言ったことのないセリフを英語で言うので、『RENT』の10倍ぐらい大変でした。台本を開くたびに大量のセリフが目に入って、何回か挫けました」と明かした。その上で、「運動をしながらセリフを一人で全部通す稽古を毎日やっていました。トレイさんがセリフを吹き込んでくれたので、その音源を聞きながら、トレイさんの言ったままを話す感じです」と努力の過程を語った。
ゆりやん初挑戦、山本への感謝
ミュージカル初挑戦となるゆりやんは、山本について「初めてご一緒させていただくんですけど、勝手にすごくパッションがある方だなと思っていて。お稽古場で怒られたらどうしようとドキドキしていたんですけど、全くそんなことなく、本当に優しくて。私はミュージカル自体が初めてで、しかもそれを英語でやることに対して、いろいろ不安があったんですが、耕史さんはいろいろ教えてくださって、心強くて」と感謝の気持ちを述べ、「私は山本耕史さんとご一緒させていただけて本当に感謝してます!一生ついていきます!」と語った。山本もゆりやんに対し「ものすごく控えめでかわいらしい方。日米合作と言いつつ、“日”が限りなく少ない中で、日本語で話し合える唯一の仲間というか。助かっています」と印象を語った。
物語と見どころ
物語の舞台は、ニューヨーク州の郊外にある街バッファロー。閉鎖された製鉄所で働いていたジェリー(山本)は失業中で、職安に通う日々を過ごしている。一人息子ネイサンの教育費も払えず、離婚した元妻パムに親権を奪われそうになっていた。職安には親友のデイブや元上司のハロルドなど、かつての仲間たちも同じように仕事を探しに通っている。ある日、ジェリーとデイブは女性たちが男性ストリップショーに熱狂している光景を目にし、「自分たちもストリップで一儲けできるのでは」と思い立つ。
メンバーに集まったのは、体型にコンプレックスを抱えるデイブ、内気なマルコム、社交ダンス経験のある元上司ハロルド、年配のホース、自信満々のイーサンなど、事情も性格もバラバラな男たち。慣れないダンスに悪戦苦闘しながらも、彼らは少しずつ心を通わせていく。やがて“すべてをさらけ出す”という大胆なアイデアに挑もうとするが、さまざまな壁が立ちはだかる。
観客へのメッセージを求められた山本は「この作品をご存じの方もいらっしゃると思いますし、もちろん知らない方もいると思いますけど、見れば見るほど僕もどんどん好きになっていって。最初はセリフを言うのも難しい作品だな、どうしようかなと思っていたんですけど、いつの間にかこの作品の内容に釘付けになっていって…最後はここに自分が立つことがもしかなったら、こんなに幸せな瞬間はないだろうなというラストを迎えます。『フルモンティー』というタイトルですから、すべてをさらけ出します。爽快であり、人間のこの愛情もいっぱい溢れていて、それでいてとてもドラマチックすぎないというか。誰にでも起こり得ることがそれぞれにあって、でもみんなが集結して1つのビッグナイトを過ごす。ミュージカル向きであり、皆さんも見たらすごく爽快な気持ちになるんじゃないかなと思うので、ぜひ皆さん遊びに来てください」と話した。
上演時間は2時間40分(休憩あり)。東京公演は9月7日まで。大阪公演は新歌舞伎座にて9月10日から9月14日まで行われる。



