「機動警察パトレイバー EZY」レビュー:フィジカルAIな近未来にノスタルジーを感じた件
「パトレイバーEZY」レビュー:フィジカルAIな近未来にノスタルジー

「機動警察パトレイバー」の最新シリーズ「機動警察パトレイバー EZY(イージー)」が5月15日より劇場公開中です。本作は3章構成の第1作(File 1)で、8月公開のFile 2、2027年3月公開のFile 3と続く予定。筆者も子供の頃から大好きだった作品なので、さっそく見てきました。

「機動警察パトレイバー」とは

「機動警察パトレイバー」は、1988年にスタートしたメディアミックス作品。舞台は20世紀末(当時は近未来)の架空の日本で、汎用人間型作業機械「レイバー」の普及とともに頻発する「レイバー犯罪」に対抗するため組織された警視庁警備部特科車両二課(特車二課)と、そこに配属されたパトロールレイバー、通称「パトレイバー」の活躍を描きました。

当時のロボット作品として目を引いたのは、レイバーを動かすOS(Operating System)の概念を取り入れたこと。今ほどPCが家庭に普及していなかったこともあり、その先進性とリアリティは魅力的でした(マニアによる解説記事はこちら)。

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「EZY」の舞台は2030年代

一方、今回の映像の舞台は2030年代の日本です。レイバーは社会基盤の一部として定着しているようで、AIによる自動化も進んでいます。いわゆるフィジカルAI(AIがセンサーなどで現実世界を認識し、ロボットなどの「身体」を自律的に動かす技術の総称)が進歩した世の中。その中で、特車二課の面々は型番をチューンアップしたパトレイバー、通称「イングラム・プラス」と共にレイバー犯罪に立ち向かいます。その現場でもドローンを駆使していたりと、過去作とはまた違ったリアリティが見てとれました。

3つのエピソードとキャラクター

本作では、そんな特車二課のメンバーの日常を描いた3つのエピソードが語られます。個人的にパトレイバーの面白さは、主要キャラの魅力によるところが大きいと思っており、彼らの日常を垣間見られるお話は地味ではあるのですが、映像ならではの大事件や迫力あるロボットバトルなどを期待していると拍子抜けするかもしれません。

また、その肝心の特車二課の面々のキャラクターに関しても、今回の3つのエピソードではあまりしっかり描かれていないように筆者は感じました。各話に登場するゲストキャラのクセも相当強く、完全にメインキャラを食ってしまっている印象です。

それでも満足できる理由

それでも本作を見た筆者がしっかり満足できたのは、本作がまぎれもなく「あの頃のパトレイバー」そのままのノリだったからです。作品全体に散りばめられた小ネタや、正直見てる側が引くほどの悪ノリをはじめ、前作のキャラやレイバーをカメオ出演させるファンサービスまで、本作には当時のファンが安心できる平成初期の空気感が満載です。

突き詰めた前作のファン向けの内容や、こちらがノリきれないほどの悪ノリに不満がなかったといったらウソになります。それでも長年のパトレイバーファンとして、ちゃんと満足感はありましたし、昔と変わらない雰囲気にノスタルジーを感じたのも事実。本作だけ見ればテレビシリーズを3話分見せられただけともいえる内容ですが、今後もシリーズは続いていくので、そちらで今回の不満点が解消されるのを個人的には楽しみにしています。

「機動警察パトレイバー EZY File 2」は、8月14日公開予定です。

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