お笑い芸人の小籔千豊が19日、YouTubeチャンネル『ざっくりYouTube』で公開された動画に出演し、吉本興業を退所する理由を詳しく説明した。吉本新喜劇を卒業したことなどを機に、所属する意味を考えるようになったと明かし、会社への大きな不満やトラブルが原因ではないことを強調した。
退所につながった3つの変化
動画冒頭、小籔は「吉本をね、やめさせていただくということになりました」と改めて報告。いつ頃から退所を考えていたのかを問われると、会社と激しく衝突した末に決断したわけではないため、明確なきっかけとなった日はないと説明した。
小籔にとって、吉本に所属する大きな意味は3つあったという。一つ目は、自身を長年支えてくれた吉本新喜劇。小籔は新喜劇について「これでご飯食べさせてもらいました」と感謝した。二つ目は、自身が主宰する音楽とお笑いのイベント「KOYABU SONIC」。他の事務所でも同様の催しを開くことはできるかもしれないとしながらも、「僕の思ってる感じは吉本じゃないとできなかった」と振り返った。三つ目は、劇場で多くの芸人仲間と会い、自由に会話できる環境だった。
しかし、新喜劇を卒業したことで劇場へ足を運ぶ機会も減少。「KOYABU SONIC」にも一区切りをつけようと考えるなか、「吉本におる意味ないんかな…?」という思いが芽生えたという。
「芸人しか知らんと死んでいくんか」
一方、退所を決めるほどの不満が会社にあったわけではない。長く所属していれば細かな不満はあるかもしれないとしつつ、「やめるに至るほどの何か不満があるわけじゃない」と明言した。
そんな小籔の気持ちを動かしたのが、芸人以外の世界への関心だった。『M-1グランプリ』に出場した際、舞台で激しく滑り、「顔真っ赤かなった」という経験を回顧。その頃に起業家の記事などを読み、「俺、こういう世界も知らんな」「芸人しか知らんと死んでいくんか」と考えるようになった。
ただし、家族がいることもあり、退所への気持ちは一直線に固まったわけではなかった。「もう一回やめてみるか」という思いが強くなる時もあれば、会社への不満がないことから思いとどまる時もあり、決意の度合いは何度も上下したという。その末に「ちょっとやめさせてもらうということにしようかな」と決断した。
小籔は、コンビで劇場へ出演していたなら考え方は違ったかもしれないとも分析。千原ジュニアもそのように受けとめていたが、ピン芸人であることや、時代とともに転職に対する社会の捉え方が変わったことも、決断を後押ししたようだ。
現在を変える“一発”に挑戦
退所後に具体的にやりたい事業や、政治家を目指す考えがあるのかと聞かれると、小籔は否定。ジュニアが「吉本いたらでけへんけど、やめたらできることって何があるんやろう」と疑問を投げかけると、小籔は「そうなんですよね。そんなにないんですよ」と苦笑しつつ、吉本は「何でもさしてくれる」大きく素晴らしい会社であり、所属しているからできないことは、実際にはそれほど多くないと話した。
自身の現状については、パチンコ台にたとえて説明。芸能活動を続ければ一定の仕事を得られるかもしれない一方、「やめる」という“一発台”も残されているように感じたといい、「ちょっとやってみるか」と、環境を変える道を選んだ胸中を明かした。
また、「KOYABU SONIC」では、長期間にわたって会議を重ねる社員の姿を目にしてきたという。会社にとって大きな利益になるとは限らないイベントにも多くの人が力を尽くしてくれたといい、「こんなんもやらせてもらえるのは吉本の素晴らしいところ」と改めて感謝した。
「こちらをディスる気もないし、素晴らしいところよ」と繰り返した小籔。退所は会社への批判や決別ではなく、慣れ親しんだ環境を離れ、自身に新たな刺激を与えるための挑戦であることを丁寧に伝えていた。
編集部メモ
『ざっくりYouTube』は、千原ジュニア、小籔千豊、フットボールアワーの後藤輝基と岩尾望が出演するYouTubeチャンネル。今回の動画では、小籔が吉本興業を退所する理由や今後について説明したほか、退所後の同チャンネルの継続についても言及している。



