山本太郎氏の引退会見での笑顔が嫌悪感を生んだ理由 表示規則の逸脱を分析
山本太郎氏の笑顔が嫌悪感を生んだ理由

引退会見での笑顔が波紋

れいわ新選組の山本太郎代表が7月11日に行った引退会見で見せた笑顔が、多くの視聴者に強い嫌悪感を与えた。この反応について、桜美林大学ビジネスマネジメント学群教授で「見た目」戦略研究家の宮本文幸氏は、表情研究の観点から分析している。

「笑い」の二つの逸脱

宮本氏によれば、山本氏の笑顔には二つの「表示規則」からの逸脱があった。一つは「深刻な場での笑い」であり、もう一つは「自分を追及している相手に対して笑いを向ける」という対人関係上の逸脱である。表示規則とは、表情がその場にふさわしいかどうかを判断する枠組みであり、この逸脱が視聴者の違和感を生んだ。

笑いの対人的機能と受け手の解釈

表情研究の分野では、笑いには相手の感情や態度に働きかけ、好意的な姿勢を引き出す対人的機能があるとされる。しかし、その効果は文脈に依存する。同じ笑いでも、親和的な文脈で向けられるか、相手を見下す・からかうといった対抗的な文脈で向けられるかで、受け手の解釈は異なる。今回のケースでは、追及する相手に対する対抗的な笑いとして読み取られやすく、「相手を軽んじている」「動じていない」という印象と結びつき、不気味さや怖さの原因となった。

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具体的には、スピード違反の際に乗っていたレンタカーについて「二駆ですか?四駆ですか?」と問われた際、共同代表の大石晃子氏とともに笑いをかみ殺すような姿が見られた。

表示規則逸脱の理由

山本氏が表示規則を逸脱した理由として、宮本氏は三つを挙げている。第一に、「無意識の感情の漏れ(リーケージ)」である。緊張やストレスの強い状況では、意識的に整えようとする表情の下から、本人も制御しきれていない感情が漏れ出ることがある。これは意図的な逸脱というより、制御の失敗に近い。

第二に、笑いが「落ち着き」や「前を向く意志」として受け取られるケースもあるが、今回はそうした肯定的な解釈は広がらなかった。第三に、山本氏の笑顔が「相手を挑発する」意図を持っていた可能性も指摘されるが、宮本氏はあくまで科学的な枠組みから分析している。

視聴者の印象形成

宮本氏は、表示規則の概念は表情が場面にふさわしいかどうかを判断する枠組みであり、山本氏の内心を直接示すものではないと強調する。しかし、視聴者が抱く印象は、本人の内心とは関係なく、表出された表情が場面にどれだけ適合しているかによって形作られる。これが今回の世間の反応の科学的な根拠である。

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