月会費3850円、住所非公開の会員制パフェバーが、会員数5000人を超える人気を集めている。取材として特別に体験したところ、その秘密はパフェというスイーツの可能性を最大限に引き出す独自の哲学にあった。
パフェは映画のように構成できる
気鋭のパティシエ、林巨樹氏は言う。「ケーキは持ち帰りを考慮する必要があり、限界がある。しかしパフェはその場で食べるため、生地やクリームを限界までふわふわにできる。また、上から下へ食べ進めることで、パティシエの設計した順序で味わってもらえる。導入、アクション、余韻といった映画のような構成が可能だ」
林氏は「ケーキは旧時代のスイーツで、これからはパフェの時代」と断言する。
今後の展開:パリ進出と農業参入
林氏には二つの大きな目標がある。一つ目はパリでの店舗オープン。2025年にヨーロッパ最大級の日本文化博覧会「ジャパンエキスポ」でポップアップショップを開催したところ、「アメージング!日本人にしかできない」と絶賛されたという。フランス人には食材を同じ大きさに切ったり綺麗に並べたりする文化がなく、断面の美しさがクールジャパンとして受け入れられた。
二つ目は第一次産業への参入。会員を1万人まで増やせば、畑を経営するにふさわしい仕入れ規模になる。農家と連携し、より良いものづくりを目指す。後継者不足による農家減少を食い止めたい思いもあり、その先駆けとして酒造と共同でオリジナル日本酒「コメノカジツ」を開発。北海道の農家に酒米の作付けを依頼し、米作りからこだわった。
日本の農業とものづくりを変えたい
「日本の一次産業はクオリティーが高いが、ものづくりや宣伝が下手で衰退している。それを海外に積極的に展開し、クオリティーを見せつけたい」と林氏。パフェという日本独自のスイーツを武器に、日本の課題を解決する若きパティシエの挑戦が始まっている。



