ジビエ通じ食育の場に 南魚沼に複合施設、あすオープン
ジビエ通じ食育の場に 南魚沼に複合施設、あすオープン

鳥獣被害や耕作放棄地など地方が抱える課題を「食育」を通じて解決しようと、東京の保育法人が4日、南魚沼市に複合施設「南魚沼ブルワリー・ジビエ×焚火の台所」をオープンする。施設内にはジビエ料理を提供するレストランが併設され、将来的には保育施設の給食でも提供する予定で、ジビエの普及や活用促進を目指す。

施設の概要と取り組み

施設は、同市や東京など全国で保育施設や児童発達支援施設など約200施設を展開する「どろんこ会グループ」が運営する。木造2階建てで、延べ床面積は約250平方メートル。1階にはジビエ加工施設が入り、地元で捕獲したシカやイノシシの解体処理や、ミンチやソーセージなどへの加工を行う。工程はガラス越しに公開され、子どもたちが「命をいただく」過程を体感する食育の場としても活用する方針だ。

また、同グループが市内の耕作放棄地で栽培するホップを使ったクラフトビールの醸造所も設けた。2階にあるレストランでは、ジビエ肉を使った料理やクラフトビールを楽しめる。

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背景と今後の展望

同グループは、2003年から同市で子どもの田植えや稲刈り体験を行っており、首都圏などから年間に約1000人の子どもたちが訪れる。中山間地で耕作放棄地が増えていることから、13年には農業法人「南魚沼生産組合」も設立した。現在は山あいの棚田を中心に約45ヘクタールでコメを生産しており、全国の保育施設などで給食として提供している。

田んぼはシカやイノシシなどの鳥獣被害に遭うこともあり、同グループの設立者で、同組合の代表も務める高堀雄一郎さん(55)は、県猟友会の一員として活動する同市の笛木義徳さん(78)の指導を受けながら、狩猟を始めた。ただ、捕獲したイノシシなどを解体処理する施設は限られ、ジビエ肉の流通量も少ない。

そこで捕獲したシカやイノシシを搬入してもらい、処理や加工に加えジビエ肉を提供できる施設を整備することにした。将来的には、運営する保育施設や市内の小中学校の給食で提供することも目指すという。

関係者の期待

1日には関係者を招いての内覧会が開かれ、ガラス張りの処理施設や、窓からの田園風景が美しいレストランなどが紹介された。笛木さんは「これまでは無駄にしてきた命もある。活用されるのは良いこと」と期待する。高堀代表は「地域観光の拠点となるような施設にしたい。鳥獣被害に悩む自治体にとって一つのモデルとなる道筋を作っていきたい」と話した。

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