福島県いわき市にあるファミリーレストラン「メヒコ」は、ガラス越しにフラミンゴを眺めながら食事ができる異色の店だ。名物の「伝統のカニピラフ」は、地元で50年以上愛され続けている。なぜレストランにフラミンゴがいるのか。その起源は創業者のメキシコ体験にある。
創業者がメキシコで見た感動
遠洋漁業の仕事をしていた創業者は、メキシコで数千羽のフラミンゴが一斉に空へ舞い上がる光景に心を奪われた。空一面をピンクに染める優雅な姿を「日本でも再現したい」と考えたのが「メヒコ」誕生の原点だ。創業者夫妻は大の動物好きで、当時のいわき市周辺には家族で楽しめる娯楽施設が少なかったこともあり、「子どもたちが楽しめる場所を作りたい」という思いから、フラミンゴを眺めながら食事ができるレストランという発想が生まれた。そこに創業者の大好物であるカニを組み合わせたのが、メヒコの始まりである。
カニピラフとフラミンゴの共演
ガラス越しにフラミンゴを眺めながら食べる「伝統のカニピラフ」は、多くの客を魅了する。筆者が取材した日は、運よく生まれたばかりのヒナの姿を見ることができ、ふわふわの産毛に包まれた小さな姿に客もスタッフも目尻を下げていた。フラミンゴがまるでカニピラフを狙っているかのような仕草も見られ、楽しい食事体験を提供している。
半世紀以上愛され続ける理由
高度経済成長期に誕生したレストランが衰退するなか、メヒコはなぜ生き残り続けているのか。後編では、昭和の遺産とも言えるアニマルレストランが予約困難なほど人気を博し、令和の今も変わらず支持される深い理由を探る。



