55歳漫画家がアジ釣りで経験した「渋すぎる現実」子どもの頃の楽しさは人生後半に通用するか
55歳漫画家がアジ釣りで経験した渋すぎる現実

漫画家の倉田真由美氏(55歳)が、人生後半の生きがい探しとしてアジ釣りに挑戦した経験を綴る。子どもの頃の楽しい経験が、50代を超えた人生後半でも通用するのかという問いかけから始まるこのエッセイは、当日の船釣りの様子を詳細に描写している。

船釣りスタート、最初の手応え

船は20分ほど走り、船長が「それでは皆さん、スタートしてください」と号令をかけた。参加者は一斉に事前に配られていたゴカイを適度にちぎって針に付け、サビキ入れの籠にツミレを詰めて、糸を垂らす。錘が棚に着いてから少し巻き上げ、ツミレがカゴからいい感じに出るようにして、魚を誘うように竿を揺らす。

同行したMさんは釣り初心者で、ニョロニョロと動くイソメ(ゴカイ)を扱うことに抵抗がないか倉田氏が尋ねると、「うん、ちょっと気持ち悪かったけどもう大丈夫。手袋してるし」と答えた。一方、ミカンさんは「釣りよりも酒! 肴!」というスタンスで、動作が雑で餌の付け替え頻度も低かった。

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最初の釣果とその後の沈黙

最初に釣り上げたのはHさんだった。「やった! 釣れました!」というHさんの声に、倉田氏は「やりましたね!」と応じ、Hさんは「はい、とりあえずボウズにならなくて安心しました」と喜んだ。その直後、倉田氏の竿にも当たりが来た。焦って勢いがつきそうになるのを抑え、適度な速度でリールを巻き上げる。「やった! 私も釣れた!」と叫ぶと、海面に魚が顔を出したときは2匹かかっていたが、1匹バレて海に落ち、1匹が残った。アジを針から外し、足下の海水バケツに入れると、意外と元気そうだった。

「よし、これからどんどん釣れるのでは?」と張り切って餌を付け替え、糸を垂らしたが、その後はまったく気配がなくなった。魚がいないのか棚が違うのか、餌も取られず反応がなく、10分、20分と時間が過ぎていった。左右を見ると、他の参加者も似たような様子だった。

渋い現実と人生後半への教訓

倉田氏はこの経験から、子どもの頃に楽しかったことがそのまま人生後半で通用するとは限らないという現実を痛感する。釣りは子どもの頃の楽しい思い出だが、大人になってから挑戦すると、体力や集中力の低下、思うように釣れないもどかしさなど、新たな困難がある。それでも、仲間と過ごす時間や自然との触れ合いは、生きがいの一部として価値があると述べている。

本エッセイは、50代からの新たな趣味や生きがい探しに悩む読者に向けて、試行錯誤の大切さを伝えている。

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