れいわ新選組の山本太郎代表が2026年7月に行った引退会見で、終始見せた笑顔や大げさな怪訝な表情がSNS上で拡散され、多くの視聴者に強い嫌悪感を与えた。この反応は、山本氏の人柄そのものというより、表情が「その場にふさわしい型」から外れていたことに起因すると、桜美林大学の宮本文幸教授(見た目戦略研究)は分析する。
表示規則とは何か
心理学者ポール・エクマンらは、社会的状況に応じて適切な表情を制御する「表示規則」の概念を提唱した(Ekman & Friesen, 1969)。例えば、葬儀では悲しみ、表彰式では喜びを表すことが期待される。山本氏の会見は政治活動の引退を表明する場であり、一般的には真剣さや寂しさ、決意などが求められる。しかし、彼が見せた笑顔や驚いたような表情は、この期待から大きく逸脱していた。
表情の切り取りと拡散の危険性
今回拡散した映像は会見の一部を切り取ったものであり、前後の文脈や全体の流れは確認できない。緊張やストレスの強い状況では、意図しない表情が表れることもある。宮本教授は「表示規則の逸脱が強い印象を残すことと、その表情が内心を正確に映し出しているかは別問題」と指摘する。私たちが感じた嫌悪感は、山本氏の不誠実さではなく、表情と場面の「かみ合わせ」の悪さに対する知覚反応に過ぎない可能性がある。
受け手側の注意点
表情がかみ合っていないからといって、必ずしも「不誠実」とは言えない。会見全体の文脈や発言内容を踏まえた上で判断することが重要だ。宮本教授は「切り取られた会見映像ですべてを判断するのは危険」と警鐘を鳴らす。山本氏の会見は確かに失敗だったかもしれないが、受け手側も冷静な分析が求められる。



