「パーカーもボディーバッグもダメ」おじさんの服装論争:無難が叩かれる理不尽
「パーカーもボディーバッグもダメ」おじさん服装論争

一見、無難な中高年男性の服装が「イオンモールおじさん」と揶揄されるのはなぜなのか。パーカーやボディーバッグが「ダメ」とされ、では何を着ればいいのかという戸惑いの声も上がる。見た目戦略研究家の宮本文幸氏(桜美林大学ビジネスマネジメント学群教授)が、この「概念のギャップ」という理不尽について解説する。

なぜ「無難」が叩かれるのか

中高年男性が選びがちな「無難な服装」——例えば、機能性重視のパーカーや、実用本位のボディーバッグ——が、若い世代から「ダサい」「イオンモールおじさん」と揶揄される風潮がある。これは単なるファッションセンスの問題ではなく、世代間で共有される「服装の暗黙ルール」の違いに起因する。

例えば、休日にショッピングモールへ行く際、中高年男性は「動きやすくて便利な服」を優先する。しかし、その選択が「だらしない」「気を遣っていない」というネガティブな印象を与えてしまうのだ。このギャップは、服装が持つ「社会的シグナル」の解釈の違いから生まれる。

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パーソナルカラーで印象を変える

では、具体的にどうすればいいのか。まずは自分の「パーソナルカラー」を知ることが重要だ。似合う色を把握し、色数を絞ることで、まとまりのある印象を与えられる。

  • スプリング:アイボリー、キャメル、コーラルが似合う
  • サマー:ラベンダー、ネイビー、ブルーグレーが似合う
  • オータム:テラコッタ、カーキ、マスタードが似合う
  • ウィンター:ピュアホワイト、ブラック、ロイヤルブルーが似合う

自分のパーソナルカラーを把握したうえで色数を絞ると、「何色を選んでも不思議とまとまって見える」という状態が生まれるだろう。

シルエットを整える——インかアウトか

体型とシルエットの不一致は、脳が「想定される体型との差異」を検出しようとするため処理負荷が上がる。体型に合った適度なゆとりのあるシルエットは、この検出プロセスを省略させ、スムーズな処理を可能にする。

シルエット整理の最も手軽な操作が「シャツのインかアウトか」という選択だ。筆者自身の経験を明かすと、ビジネスで当たり前になっていたシャツのイン(パンツにシャツを入れるスタイル)を、普段着でも無意識にやり続けていた。

ところが妻と娘から「普段着ではアウトのほうが自然に見える」と指摘されて、はじめて気づいた。インにすると腰のラインが締まって脚が長く見える一方、休日の普段着ではかえってかしこまった印象を与えることがある。アウトにすれば体型カバーにもなり、リラックスした自然な雰囲気が生まれる。ビジネスと普段着では、同じ「インかアウトか」の判断基準が逆転するのだ。

「自分のことは自分が一番わからない」が真理である。

素材感をアップデートする

安価なポリエステル素材は光の反射パターンが均一で単調だが、コットン・リネン・ウールなどの天然素材は複雑な光の陰影を生む。この「素材の奥行き感」が処理の豊かさにつながり、「上質さ」「誠実さ」の印象を生み出す。

ポロシャツ特有のテロっとした薄手の素材感が「生活感」として読まれやすい一方、コットンオックスフォードのシャツやリネンのトップスは、同じカジュアルでも格段に「整った」印象を与える。

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