ヒチコック映画ほうふつ、心理サスペンス2作公開 ヒロインの葛藤とカメラワーク継承
ヒチコック映画ほうふつ、心理サスペンス2作公開

スリラーの巨匠、アルフレッド・ヒチコック監督の映画をほうふつとさせる、2本の心理サスペンスが24日に公開される。ジョディ・フォスターが精神分析医役を好演するフランス映画「プライベート・ケース」と、ジェシカ・チャステイン、アン・ハサウェイが互いに疑惑を抱く主婦を演じる米国などの合作「隣人たち」だ。心理的な葛藤を抱えたヒロイン、効果的なカメラワークといった、ヒチコック映画のモチーフを継承している。

「プライベート・ケース」 女性の葛藤、深層心理描く

レベッカ・ズロトヴスキ監督の「プライベート・ケース」でフォスターが演じるのは、パリで精神分析医として働く米国人のリリアン。患者のポーラ(ヴィルジニー・エフィラ)が突然亡くなり、不審に思ったリリアンは自身の元夫(ダニエル・オートゥイユ)と共に、真相を探り始める。

「フロイトの『夢判断』は大変面白い書物」というズロトヴスキ監督は、精神分析をテーマにした本作のストーリーに強く引かれた。「リリアンは自身の欲望を抑圧し、否定している。それは、非常に映画的な素材だと思いました」

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

熱狂的な映画ファンであるシネフィルを自任するズロトヴスキ監督。「様々なジャンルの映画の要素を取り込むことに、臆することがなかった」。オーソン・ウェルズ監督などの映画と本作との関連を明かし、ヒチコック監督の「白い恐怖」(1945年)も、その1本として挙げた。

「白い恐怖」では、精神科病院の女性医師(イングリッド・バーグマン)が、殺人を犯したと思い込んでいる病院長の深層心理に迫っていく。その際、謎を解く鍵になるのが、病院長の見る夢。シュールレアリスムを代表する画家、サルバドール・ダリが協力した夢の場面はよく知られている。ズロトヴスキ監督は「『プライベート・ケース』では、リリアンの深層心理として、ポーラとの前世の関係が描かれますが、その設定は『白い恐怖』とまったく同じというわけではない。でも、『白い恐怖』が私の頭の中にあったのは、間違いありません」と話した。

「隣人たち」 スリラー、無駄のない映像

スリル満点のヒチコック映画が大好き。それらにインスピレーションを受けて、今回は映画を撮った――。「隣人たち」のブノワ・ドゥローム監督は、そう明言する。

ベルギーで高く評価された映画を、1960年代の米国郊外に舞台を移して、リメイクした「隣人たち」。隣どうしで仲の良い主婦だったセリーヌ(ハサウェイ)とアリス(チャステイン)。2人はそれぞれ、幸せな生活を送っていたが、セリーヌの一人息子が自宅のバルコニーから転落死してしまう。事故の後、セリーヌはアリスの息子に異常に接近。不可解な出来事が相次ぎ、アリスはセリーヌに不信感を抱き始める。

女性たちの疑念と妄想が渦巻く本作は、まさにヒチコック監督の心理サスペンスのよう。さらに、元々はカメラマンで、本作でも撮影監督を兼ねるドゥローム監督は「意味のないカットは撮らないヒチコック作品を見習った」という。

「スリラーなので、影の効果を生かした場面もあるが、ドラマチックな照明はあまり使いたくなかった。カメラも基本的には動かさない」とドゥローム監督。「ドラマ性のあるストーリーを、照明やカメラで飾りたくなかった」からだ。

ヒチコックの映画は一見すると、派手な効果を狙っているように見えるが、実は「決して複雑でなく、いたってシンプル」。最近の映画が「不必要なほど、たくさんのカットを入れている」のに対し、ヒチコック作品は「すべてのカットに無駄がない」と絶賛する。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ