「ブスと言われた」過去が原点 摂食障害・醜形恐怖…神童だった彼女の今
「ブスと言われた」過去が原点 摂食障害・醜形恐怖の彼女の今

大阪大学文学部の合格は、本人の言い方を借りれば、ほとんど「力技」だった。数学は最後まで克服できなかった。本質的な理解、というルートが彼女には通じなかったからだ。代わりに彼女は、センター試験の過去問40年分の解法を、まるごと記憶した。「この形の問題が来たら、次にこの数値を求める」というパターンを片端から脳に詰め込んでいき、当日はそのパターン認識でほぼすべての問題を捌いた。

「もし共通テストだったら、受かっていなかったと思います」本人は淡々と言う。共通テストでは思考力を問う設問が増え、解法を暗記する戦略では足りない。彼女は「センター試験の最後の世代」だったからこそ阪大に入れた、という自覚がある。加えて、阪大文学部は二次試験に数学を必須としない。その制度を最大限活用した結果、合格者中3位に。センター本試は91%。十分な結果だった。

「面白い女になりたい」文学部を選んだ理由

文学部を選んだ理由は、はっきりしている。「面白い女になりたいから、文学部に行きます」語彙を多く持つ人に色気を感じる、と彼女は言う。自分も、そういう人間でありたい。動機としては、いささか短いが、本人のなかでは一本筋が通っていた。

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大学では演劇部に入った。容姿コンプレックスを抱えながら舞台に立つ、というのは矛盾しているようだが、本人にとっては「承認欲求が強い一方で、自分には自信がない」という分裂を、舞台という場で処理する作業だった。教員免許も取った。高校国語の教員になるつもりで教育実習にも行った。そこで、彼女は教師という選択肢を自分で消す。「共感しすぎる性格」が職業適性として致命的だと気づいたからだ。

就活で「大手病」を発症

教育実習が終わったのは、大学4年生の7月。その年の就活シーズンは、ほぼ終わっていた。結果として、彼女は1年留年し、もう一度就職活動に向き直る。その就活で、彼女は完璧に「大手病」を発症する。「学歴を重んじるコミュニティで育ってきた自分にとって、行くべき場所は知名度のあるキラキラした業界しかない」――本人はそう振り返る。商社とデベロッパーに絞って片端から面接を受けた。面接にこぎつけた会社からは、ほぼ取りこぼしなく内定が出た。五大商社にも複数内定。手元に並んだ内定通知の数は、客観的に見れば「就活無双」だった。ところが、その内定の山は、彼女に1ミリも安心を与えなかった。

「総合職の男性社員を立てる同期を見て…」

次ページでは、内定先での同期の行動に衝撃を受け、自分と比較してさらに苦しむ様子が描かれる。摂食障害や醜形恐怖の原点となった「ブスと何度も言われた」過去も明らかにされる。

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