俳優の佐藤二朗さんが、自身のX(旧ツイッター)で強迫性障害を抱えていることを公表した。「根治を諦め、共生を決める」と綴り、多くの励ましの声に感謝した。この疾患について、精神科医で千葉大学医学部附属病院認知行動療法センター長の清水栄司氏が解説する。
強迫性障害とは何か
強迫性障害は、強い不安や苦痛を引き起こす考え(強迫観念)にとらわれ、それを打ち消すための行動(強迫行動)を繰り返す心の病気だ。頭では不合理と分かっていても「やめたくてもやめられない」状態に陥る。近年、診断名は「強迫症」に変更されたが、本稿では従来の名称を使用する。
症状と脳のメカニズム
強迫観念の例としては、汚染への恐怖や、戸締まりの確認などがある。これに伴い、手洗いや確認行為を何度も行う。清水氏によると、脳の回路の機能不全が関与しており、特に前頭葉と大脳基底核の異常が指摘されている。
治療法:薬物療法と認知行動療法
治療の中心は、抗うつ薬(SSRI)と認知行動療法(CBT)の併用だ。CBTでは、患者が強迫観念に曝露されながら儀式行為をしない訓練(曝露反応妨害法)を行う。清水氏は「治療により症状は改善可能だが、完治は難しく、共生を目指すことも重要」と述べている。
佐藤二朗の告白がもたらす影響
佐藤さんの公表は、同じ疾患に苦しむ人々に勇気を与えた。SNSでは「沢山の励まし、ありがとう」と感謝の言葉が綴られ、多くの支持が集まった。このような有名人のカミングアウトは、疾患への理解を促進し、 stigma 軽減に寄与すると期待される。



