米国の公民権運動指導者ジェシー・ジャクソン師が2月に亡くなったことを受け、追悼式でバラク・オバマ元大統領がスピーチを行った。オバマ氏はアフリカ系米国人として初の大統領となり、ジャクソン師から多大な影響を受けた一人として知られる。
シカゴでの出会い
オバマ氏はニューヨークの大学を卒業後、シカゴに移り、地域活動に従事した。当時を振り返り、「初めてここに来た時、知っている人は誰もいませんでした。ちょうどこの辺りで、私は地域のために活動していました」と述べた。
community organizer とは、地域の人々の生活向上などのために活動する人のことで、地域社会の改善に向けて住民が自ら動く米国らしい側面だと、米国出身の同僚は解説する。当時は鉄鋼業の衰退で経済的に困窮している人が多く、オバマ氏は住環境の改善や職業訓練の整備を複数の教会と協力して進める仕事をしていたという。
PUSH本部への通い
ハワイ育ちのオバマ氏にとって、シカゴの冬は厳しいものだった。「ハワイ育ちの私にとって、シカゴの冬をどうしのいでいくか、当時は見当もつきませんでした。でも今も覚えているのは、土曜の朝に、ジャクソン師の話を聞いて勉強するためにPUSH本部へと出かけたことです」と語る。
PUSH は、アフリカ系米国人の生活改善や地位向上を目指してジャクソン師が設立した団体で、多くの関係者が追悼式に参列していただろう。オバマ氏は当時の集会の様子を「ある朝には、大きな問題が起きていたことを皆さんも覚えているでしょう。会場は満員でした。一方で、静かで落ち着いた雰囲気の朝もありました」と振り返る。
師の語り口
土曜の集会が始まると、「座っていたジェシーは考えをまとめて立ち上がり、ゆっくりと話し始めました」と、もの静かな雰囲気を描いた。ジャクソン師は歴史や政治、経済の難しい話を誰にでもわかりやすく話し、大学の授業のようだったという。
追悼のスピーチは、初めてシカゴに来た時の思い出に触れる内容となっており、オバマ氏がジャクソン師から受けた影響がうかがえる。



