能登の漆芸・陶芸、復興半ばで京都・仁和寺に一堂 約270点展示
能登の漆芸・陶芸、復興半ばで仁和寺に一堂 約270点

2024年元日の能登半島地震で被災した漆芸・陶芸作家の作品が、京都市右京区の仁和寺で10月25日から展示販売される。現代美術家・高屋永遠さんの個展に、多くのゲスト作家を迎えて開く。

輪島塗と珠洲焼、復興の現状

漆芸の輪島塗は、大規模火災などで職人の多くが工房や道具を焼失。陶芸の珠洲焼は、ほぼすべての窯が倒壊や損傷した。被災地の工芸は、復興の道半ばだ。

展示は白書院、黒書院、高松宮記念書院の3カ所で開かれ、約270点が並ぶ。被災地や移転先で制作に励む漆芸や陶芸作家15人と、能登ゆかりの現代美術家3人が出品する。地震で自宅兼工房が全壊し、金沢市で作陶を再開した陶芸作家・中山達磨(たつま)さんの珠洲焼もある。

作家らの声と仁和寺の歴史

開会に先立ち、24日には立命館大学で作家らによるトークショーがあり、技の練度を高めるため分業する輪島塗の仕組みなどが紹介された。

輪島漆芸技術研修所の大坪直哉・助講師は、「分業は合理的なシステムだが、今は大量生産の時代ではない。前後の工程も担える人が増えれば、縮小する社会の中で持続できるのでは」と提言した。

仁和寺は888年の創建以来、応仁の乱による伽藍(がらん)焼失と再建などを経験し、1994年には世界文化遺産に登録された。高屋さんは、「かつての仁和寺と同じように、能登の伝統工芸は喪失と再興に向き合っている。お寺を舞台に、文化継承の課題を伝えたい」と話す。

展示概要

展示は10月25~31日、11月6~8日(11月1~5日は休み)の午前9時~午後5時(最終入場は午後4時半)で、11月8日は午後4時閉場。入場には仁和寺御所庭園の拝観料が必要。詳細は、高屋さんが主宰するWHYNOT.TOKYOのホームページへ。