滋賀県の観光キャンペーンに登場した西川貴教さん。有無を言わせない歌唱力があるからこそ、どれだけネタに走っても許されるという側面がある。フランクな人柄ゆえに、SNSでの発信が肩ひじを張らない「ネタ投稿」になっていることも、好感度を高めている一因といえそうだ。
消臭力CMもSNS発信から
代表作のひとつとされる、エステー「消臭力」のCMソングも、もとはツイッター(現在のX)発信だった。エステー公式サイトによると、2011年に「暇だから消臭力のCMの男の子を完コピしました」と西川さんが投稿したことがきっかけだそうだ。
そして、10周年となる2021年のプレスリリースでは「大スターに対しておこがましい表現でしょうが、エステーにとってはどこか戦友のような、一緒にコトを起こしてくれる仲間」と表現されるまでの関係になった。これまた西川さんの“人間力”を裏付けるエピソードだろう。
ガンダムとニコ生が育てた「俺たちの西川ニキ」
加えて、日本のネットカルチャーがアニメやゲームと密接に関わっていることも、西川さんの人気を強固にしている。T.M.Revolutionとして『機動戦士ガンダムSEED』の「INVOKE(インヴォーク)」、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の「ignited -イグナイテッド-」を歌い、作中ではキャラクターの声優も担当している。
また、ニコニコ生放送でも「西川貴教のイエノミ!!」などを担当してきたことから、ネットユーザーに「俺たちの西川ニキ(兄貴を表すネットスラング)」という親近感を抱かせる要因になっていたとも考えられる。
このように、もともとの知名度に、地元愛とネット人気という2つの要素が積み重なったことで、西川さんは盤石な地位を築いてきたと言えそうだ。実力という担保があるからこそ、セルフパロディが“痛さ”ではなく“資産”に変わるのだ。
ライブやMVで強烈な風を真正面から受け続けてきた姿から、西川さんと言えば「強すぎる向かい風を受ける人」というイメージもあるだろう。しかし、いまや強すぎる「追い風」に勢いづけられている存在なのだ。



