一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会は20日、漫画『みいちゃんと山田さん』(みい山)のアニメ化に関して意見書を公開した。アニメ化そのものに反対するのではなく、知的障害者をエンターテインメント化することへの懸念と、詳細な説明を求める内容となっている。異例の意見書にネット上ではさまざまな声が上がっている。
意見書の内容と背景
意見書では、同団体が障害者基本法に定める「共生社会」の実現を目指して活動しているとし、「今般、漫画作品『みいちゃんと山田さん』がアニメ化されるとの報道があり、本会としても慎重に事実関係を確認してまいりました」と経緯を説明。
作品中の主人公「みいちゃん」については、知的障害の判定を受けておらず明示的に知的障害者とはいえないものの、軽度知的障害もしくは境界知能であることが強く示唆されていると指摘。作者の亜月ねね氏が、軽度の知的障害があり障害者手帳を所持していた女性をモデルとしたと発言していることにも触れている。
ネット上の反応
意見書に対し、ネット上では「丁寧に練られた意見書だと思います。表現の自由を守られながら、障がいある方の権利が守られる世界になる事を願います」「表現規制に踏み入らないと明言した上で、専門的な部分の懸念と問い合わせを示している点は評価したい」など、さまざまな声が出ている。
同作は2024年9月から2026年8月16日まで講談社の『マガジンポケット』で連載。2012年の新宿・歌舞伎町を舞台に、キャバクラ嬢として働く山田さんと、何をやっても“ちょっと足りない”新人みいちゃんの夜の世界の12か月を描く。SNSで爆発的な人気を集め、原作コミックスは既刊6巻で累計発行部数300万部を突破。2027年のアニメ化が発表されている。
意見書の主な指摘
意見書では、作者が吃音のある人を題材にした作品や「みいちゃん化」という表現を用いたこと、出版社の編集部員が「人の不幸話はめちゃくちゃ楽しい」などと発言していたことなどを懸念事項として列挙。また、すでに現実社会で「みいちゃん」が知的障害や発達特性のある女性を揶揄・侮辱する言葉として使われている事例が複数報告されているとしている。
製作委員会に対しては、アニメ化の「意義」についての説明や、専門家の立場や助言内容の説明、未成年者が気軽に視聴できない環境としての適切なレーティングを求めている。



