漫画家の弘兼憲史氏(78歳)は、人気漫画『島耕作』シリーズの作者として知られ、現在も夜中2時まで働く現役の漫画家だ。定年後の働き方について、弘兼氏は「自分の衰えを気にしないことが重要」と語る。自身の経験をもとに、好きな仕事で犬のように働き続ける極意を披瀝した。
プラス思考で仕事を楽しむ
弘兼氏は、仕事に対する考え方として「コップに半分の水」の例えを用いる。「『あとこれだけしかない』と思うか、『まだ半分も残っている』と思うかで、物事の捉え方が変わる」と指摘。嫌な仕事でも「お金を稼ぐためだから仕方ない」と考えるのではなく、「仕事がある幸せ」「働ける健康な体」に感謝することで、ストレスも良い方向に変えられると述べている。
「人生すべてを楽しまなければ損」という信念で78年間生きてきた弘兼氏は、どんなことも喜びにつなげられるという。60歳以降の人生が充実するかどうかは自分次第であり、「自己責任」という言葉を最も大切にしている。すべてを自分のせいだと思って行動すれば、道は開けると語る。
「生涯現役」で老けない生き方
弘兼氏は、永六輔さんの著書『聞いちゃった!―決定版・無名人語録―』からの引用を紹介する。「社会的役割を終えた人を老人といいます。現役なら百歳だって老人と言わない方がいいのです」という言葉を引き、定年後も現役で楽しく働き続けることの重要性を説く。
実際、現役時代は若々しかった人でも、リタイアした途端に老け込むことが多いと弘兼氏は指摘する。60歳や65歳で老人にならないためにも、現役で楽しく働くことが大切だ。定年後も元気でいる限り、生き生きとカッコよく仕事ができれば最高だと述べ、同世代で現役の同業者として西岸良平さんや本宮ひろ志さんなど約20人を挙げた。
弘兼氏自身は、島耕作を描き始めて43年、画業50周年を過ぎてもなお、漫画を描くという仕事が好きで、「生涯現役」で人生を終えたいと願っている。最後はやりたいことをしながら、晩節を汚さない生き方をしたいと締めくくった。



