祇園祭の本質は神事、観光だけではない
毎年7月に開催される祇園祭は、宵山や山鉾巡行が観光客に人気だが、その裏には神事としての重要な側面がある。八坂神社の社務所は「うちは観光地じゃないんですよ」とガイドブックの取材に対して述べたという。これは、祇園祭が本来、神様を祀る神聖な行事であることを強調している。
祇園祭を支える団体の一つに宮本組がある。八坂神社の近くで古くから神事を支えてきた由緒ある組織で、地元住民や祇園で働く人々で構成されている。元宮本組の一員で現在も神事に携わる人物は、ある神事で御霊移しの奉仕をした際、神様が入ったとされる瞬間に唐櫃がズンと重くなったのを感じたという。この体験談は、神様の存在を肌で感じた貴重な証言である。
別名「鱧祭り」、京都人の鱧の楽しみ方
祇園祭は別名「鱧祭り」とも呼ばれる。梅雨の終わりから祇園祭の時期が鱧の旬にあたるためで、鱧は夏の名物となっている。一般的に鱧は料亭で食べる高級魚というイメージがあるが、京都人はスーパーで骨切りされた鱧を購入し、フライや鍋にして日常的に楽しんでいる。
ある京都人は「鱧は梅雨の雨を飲んでから一気に脂が乗る」という独自の目利き方法を語っている。また、祇園祭に関わる人々はこの時期、キュウリを食べない習慣がある。その理由は、キュウリの輪切り断面が八坂神社の神紋に似ているからだという。実際に神事に携わる方に確認したところ、輪切りのキュウリは食べないが、断面が異なる切り方のキュウリは食べることもあるとのことだ。
前祭と後祭の違い、地元民の楽しみ方
祇園祭は前祭(さきまつり)と後祭(あとまつり)に分かれており、それぞれ異なる山鉾が巡行する。地元の京都人は、観光客で混雑する前祭の宵山よりも、比較的空いている後祭の宵山を好んで訪れる傾向がある。また、山鉾巡行の際には、地元の人は自宅や店先から静かに見守るなど、祭りを身近に感じながらも節度を保った楽しみ方をしている。



