漫画家の弘兼憲史氏(78歳)は、夜中2時まで働く現役バリバリの漫画家として知られる。代表作『課長 島耕作』シリーズの作者である同氏が、定年後の働き方について持論を展開した。定年後も「好きな仕事で犬のように働く」という島耕作流の生き方の極意を、自身の経験を交えて語っている。
定年後の仕事探しは現役中から準備すべき
弘兼氏は、厚生年金を受給できる人を除けば、退職金が出ない会社も増えており、定年後も働かざるを得ない人は多いと指摘する。「老後のお金が心配で定年後も働きたい」と考えるなら、会社員時代から準備を始める必要があるという。定年後に仕事探しや開業準備を始めると、希望する仕事を見つけるのが難しい現実が待ち構えているからだ。
例えばパン屋を開業したいなら、パン教室に通ったり、評判の店を巡ったり、パンの歴史や小麦について学んだりすることを勧めている。同じような仕事を探す場合には、人脈づくりに励むのも有効だ。休日をただぼんやり過ごすのではなく、次の仕事のヒントを得る活動を推奨している。
「自己責任」という名の自由を楽しむ
定年後はゆっくりしたいと考える人もいるだろう。趣味の絵を描いたり読書をしたりするのも良いが、弘兼氏は「あなたのいない暮らしに慣れている奥さんは、『邪魔ね。どこかへ行けばいいのに』と思っているかもしれません」とユーモアを交えて指摘する。多くの妻は夫がお金を稼いでくることを望んでいるという。
65歳の定年後から80歳以上まで働く場合、セカンドステージは意外と長い。そのため、年を重ねても続けられるか、どんな仕事が合っているか、しっかり悩む時間をつくることが大切だ。仕事における「収入」と「好きなこと」のバランスについては、人生後半からは収入より好きなことに重きを置いても良いと述べている。
「嫌な仕事で偉くなるより、好きな仕事で犬のように働きたい」
『課長 島耕作』で、島が「嫌な仕事で偉くなるより、好きな仕事で犬のように働きたいさ」と言う場面がある。弘兼氏は、このセリフは単に出世より好きな仕事を選ぶという意味ではなく、どんな仕事でも好きになれば結果は後からついてくるという意味を込めていると説明する。どんな仕事でも楽しんでしまう島耕作だからこそのセリフだと語る。
弘兼氏は「現役なら百歳だって老人と言わない方がいい」と続け、年齢に関係なく現役であり続ける姿勢の重要性を強調している。



