福岡県柳川市を拠点とする柳川文芸クラブ(会員15人)が発行する総合文芸誌「ほりわり」が、通算40号の節目を迎えた。1990年の創刊以来、ほぼ毎年発刊されてきた。地元が題材の小説をはじめ、詩や短歌、俳句、随筆など幅広いジャンルが特長で、作品を自主出版した会員も多い。
創刊の経緯と発行の歩み
同クラブは、若い頃から新聞に随筆や評論を投稿していた桜木信之さん(2021年に67歳で死去)が、詩人・北原白秋や直木賞作家の檀一雄ら柳川に縁が深い文学者に続く人材育成を目指し、1990年5月に結成した。当時の会員は28人。翌月創刊の「ほりわり」は、当初の2年間は年2回、3年目以降は年1回発行されている。
最新号の記念特集とこれまでの話題
7月発行の最新号は、40号記念特集として桜木さんの功績や、元会員らの寄稿文を掲載。幕末の志士、坂本龍馬の妻・お龍(りょう)の波乱の人生を描いた連載小説・浮き草「東京・横須賀編」、研修旅行先の北九州市と山口県下関市にゆかりが深い森鴎外、松本清張らをテーマにした評論や随筆も収録した。
また、38号の特集では、北原白秋が1930年(昭和5年)に作詞した「唐津小唄」を取り上げている。佐賀県唐津市を走る沿線の魅力を紹介する歌で、会員たちは42番まである歌詞に登場する場所などを訪ね、歴史や情景を紹介した。
現在の会員と今後の見通し
創刊時からの会員は3人になったが、現在も柳川市、福岡県大牟田市、同県久留米市、大分県日田市などに計15人の会員(50~80歳代)がいる。同クラブは「会員らの発表の場を維持し、多くの人に文芸の面白さを知ってほしい」と話す。各ジャンルで執筆者がそろっているため、今後も発行の継続は可能だという。



