サントリー、自販機で推し活グッズ販売へ 1本200円の飲料が売れない中、900円のグッズが売れる理由
サントリー自販機で推し活グッズ 900円でも売れる理由

6月17日、東京ビッグサイトで開催された「コンテンツ東京」の会場中央付近に、街角で見慣れた自動販売機が並ぶブースがあった。自販機にはアニメやゲームのキャラクターがあしらわれた缶やキーホルダーなどのグッズがラインナップされ、訪れた人は出てきた缶のラベルを興味深そうに眺めていた。このブースは、飲料メーカーのサントリービバレッジ&フード(以下、サントリー)が出展者だった。

同社がアピールしていたのは、「TAG-LIVE!」(タグライブ)という自販機事業の新たなサービスだ。このサービス自体は2023年からスタートしており、ライセンサーに専用の缶やデザインシステムなどを提供し、オリジナルラベルを巻いた缶飲料を作成してもらう「TAG-LIVE! LABEL」として始まった。その後、既存の自販機の販売網を活用し、サントリー自らがライセンシーとなる形でサービスを拡大し、これまで200以上のIPと取り組みを重ねてきた。

新たなグッズ販売サービス「TAG-LIVE! MART」「TAG-LIVE! CARD」

今回のコンテンツ東京への出展に合わせて発表されたのは、ぬいぐるみやアクリルスタンドなどといったグッズを販売する「TAG-LIVE! MART」、ライセンサーが登録した写真やイラストをその場でアクリルカードに印刷して販売する「TAG-LIVE! CARD」で、それぞれ6月30日と7月11日から全国の商業施設などに専用の自販機を設置する。

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会場内で行われた新サービス発表会で、サントリービバレッジ&フードの戦略企画本部の高橋大樹課長は「われわれが持つ自販機という、どこにでもあるものだからこそ、ライブや“聖地”に行くといったことでなくても、日常の中で“推し活”の体験価値を広げていくことができる」と語る。

なぜサントリーは推し活市場に参入するのか

好きなアイドルやアーティスト、スポーツ選手、キャラクターなどを応援し、イベント参加やグッズ購入に没頭する“推し活”。新たな専用の自販機を使った2つのサービスで、なぜサントリーは「推し活市場」に参入するのか。その背景には、減損が相次ぐ自販機ビジネスの現状がある。

飲料自販機は全国に約200万台設置されているが、近年は飲料の値上げや消費者の節約志向により、1本200円の飲料が売れにくくなっている。一方、推し活グッズは1点900円程度でもファンが積極的に購入する傾向があり、自販機の収益性向上が期待できる。

飲料とのシナジーは未知数

ただし、飲料メーカーがグッズ販売に進出することのシナジー効果は未知数だ。サントリーは自販機のネットワークを生かし、推し活市場での需要を取り込むことで、自販機ビジネスの新たな収益源を模索している。同社は「TAG-LIVE!」を通じて、自販機を単なる飲料販売の場から、エンターテインメント体験を提供する場へと変革しようとしている。

今後、推し活市場の拡大とともに、自販機を使ったグッズ販売がどの程度普及するかが注目される。

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