上方の伝統芸能で活躍する20~40代の中堅・若手ユニット「霜乃会(そうのかい)」の公演「伝統芸能それぞれの愛のカタチ~AIにはないええ愛~」が9月23日、大阪市中央区の国立文楽劇場小ホールで開かれる。講談や能、浄瑠璃などの芸能が、人間を人間たらしめている普遍的な「愛」を鮮やかに描き出す。
講談や文楽が描く愛の形
講談師の旭堂南龍が口演するのは「明智光秀の婚礼」。逆賊のイメージが強い光秀だが、その誠実な人柄を妻への深い愛のエピソードとともに語る。
文楽の竹本碩太夫と三味線の鶴澤燕二郎は素浄瑠璃「生写朝顔話・大井川の段」を披露。タイミングに翻弄される男女のラブストーリーで、碩太夫は「こんなにすれ違うかというくらい2人はすれ違うけれど、最後はハッピーエンドです」とアピールする。
愛の負の側面も表現
同じ恋でも落語家の桂紋四郎による「宇治の柴舟」は、2次元の存在である「絵の中の女性」を愛した男の顛末の話だ。一方で、能楽師の林本大と今村哲朗が演じる能「鉄輪(かなわ)」と、浪曲師の京山幸太がかの名作を浪曲化した「源氏物語『葵』」は、いずれも愛の負の側面をあらわにする作品といえる。
幸太は「この愛は『ラブ』ではなく『執着』。理屈ではだめだと分かっていても捨てられない感情で、そこに寄り添えるのは人間自身しかない」と言う。
AIと人間の差を問う
伝統芸能界でも、創作時のサポートに人工知能(AI)の活用が進んでいるという。南龍は「人工知能に負けるんじゃないかという恐れはある」としながらも、「人間としての感情のジレンマがAIと人の差。AIが出せない人間らしさが芸能には絶対にある」と強調した。
他に、茶道裏千家業躰の松井宗豊や華道家の芦田一坤も参加するトークショー「昭和生まれvs平成生まれ『ええ愛』茶会」。問い合わせは霜乃会事務局(090-3969-1608)。



