新潟県の「長岡まつり大花火大会」では、毎年必ず打ち上げられる“白い花火”があります。その正体は「白菊」と呼ばれる真っ白な3発の尺玉で、8月1日の初日に打ち上がります。この花火は、長岡藩の戊辰戦争での悲劇を象徴し、復興への願いが込められています。アニメ『君と花火と約束と』(佐藤勝利主演)でも意味深に登場し、物語の鍵を握っています。
日本最大級の花火大会とその現状
日本でもっとも動員数の多い花火大会は、7月下旬に開催される大阪の天神祭「奉納花火」で、例年130万人以上が訪れます。その他、東京都の隅田川や神宮外苑、福岡県北九州市と山口県下関市の関門海峡、三重県熊野市や長野県諏訪市など、全国で大規模な花火大会が開催されています。
しかし、最近では花火にまつわる費用高騰、人手不足、安全面への配慮など様々な理由により、中止や延期を余儀なくされる大会が増えています。コロナ禍以降、人出の回復が見られないまま中止に追い込まれるケースも多く、昔ながらの花火職人の数も急速に減少しています。大会の減少に伴い、日本の伝統工芸の粋を集めた花火の手仕事が存続の危機に瀕しています。
「白菊」が物語の鍵に
「白菊」が打ち上がる8月1日という日付も、『君と花火と約束と』のストーリーにおいて重要な要素となっています。この作品は、長岡の花火大会を舞台に、主人公たちの約束と絆を描いており、白い花火が象徴的な役割を果たします。
長岡の魅力:河井継之助の功績
長岡市には花火以外にも多くの魅力があります。その一つが、幕末の偉人・河井継之助です。「長岡の蒼龍」と呼ばれた河井は、1827年に長岡藩の中級藩士の長男として生まれ、江戸で佐久間象山らに蘭学や西洋砲術を、備中松山(現・岡山県高梁市)では山田方谷に財政改革を学びました。
郷里に戻った後は藩政改革を推進し、商業発展と軍備増強に尽力。戊辰戦争では長岡藩として新政府軍に徹底抗戦したことで知られています。長岡の街を荒廃させたとして批判されることもありますが、その折れない生き方に共感する人も多く、今なお魅力ある人物として語り継がれています。JR長岡駅から徒歩8分ほどの場所にある河井継之助記念館では、その功績を深く知ることができます。
長岡のソウルフードと文化
長岡には「油揚げ」を定食のメインとする意外なソウルフードも存在します。これは、戊辰戦争後の復興期に生まれた郷土料理で、現在も地元で愛されています。花火と歴史、食文化が融合した長岡は、訪れる人々に多様な魅力を提供しています。



