歌舞伎町70年愛される「ひょっとこ」の魅力と3代目店主の物語
歌舞伎町70年愛される「ひょっとこ」の物語

終戦後、歌舞伎町周辺で移転を繰り返しながら営業してきた食事処「ひょっとこ」。大物芸能人が贔屓にしたのり弁や、指詰め前のヤクザが最後の晩餐に訪れたことでも知られるこの店が、70年にわたり愛され続ける理由とは。

3代目店主が語る、店の魅力再発見

明さんが初めてひょっとこを訪れたのは、円さんと交際していたとき。両親の店だと連れて来られ、料理の美味しさや雰囲気に感動したという。その様子を見て、円さんはひょっとこの魅力を再認識したと明かす。

「主人がすごくお店を気に入って、しょっちゅう来たがって、友達もいっぱい紹介してくれたんです。私は小さい頃から店にいたし、ご飯は美味しいけど『実家の味』という感じだったから、当たり前すぎて魅力がわからなかった。でも、こんなに感動してくれるなんて、ひょっとこってすごい店なんだなと思いました」

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コロナ禍を経て、3代目に

コロナ禍が明けて平穏な日々が戻った頃、闘病中だった茂さんが死去。文江さんの悲しみは大きかったが、明さんの「お店をやめちゃだめだ、あと30年はやろう」という言葉が背中を押し、3代目の店主となった。

文江さんの人柄が生む常連客

ひょっとこの魅力の一つは、文江さんの人柄だ。円さんは「いい意味で適当なんです」と説明する。

「お客さんのおじ様が、母に何か相談をしていたんです。でも次の瞬間、母が全然違う軽い話を始めて、お客さんも悩み事を忘れちゃったことがありました。気難しいお客さんともすぐ仲良くなって、気づいたら一緒にご飯やカラオケに行っていたことも。ひょっとこの店主が母じゃなかったら、こんなにたくさんの常連さんが来てくれていないと思います」

看板娘・文江さんの思い

看板娘の文江さんも70代に。目標は「死ぬまで店に立つこと」だが、「あとどれくらい続けられるか」と語る。それでも、店を愛する客たちの存在が、彼女を支え続けている。

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