自分の本音見つめる4冊 丸善アスナル金山店が紹介
自分の本音見つめる4冊 丸善アスナル金山店が紹介

最近、書店の店頭で、書かれた質問への回答を書き込む形式の書籍をよく見かける。本に書かれた質問に答えながら、自分自身のことを振り返って書き込んでいくそれらの本は、若い世代から人気を集めている。

本を読みながら内省することが多いという文芸・文庫担当の近藤貴之さんは、物思いに耽りがちな秋の読書時間にぴったりだとし、自分の内面を見つめたり、自分らしさについて考えたりするきっかけを与えてくれる本を4冊紹介する。

「ほんとうのことを書く練習」土門蘭(著)

1冊目は土門蘭さんの「ほんとうのことを書く練習」。日記やノートに、誰にも見せない素直な自分の本音を書くことは、意外と難しいと感じる人は少なくないという。こんなこと書いたら誰かが傷つくかもしれない、こんな言葉を自分は使いたくない、と考えてしまい、ついつい考えが行き詰まってしまう。そんな悩みに応えるように書かれた本書では、土門さんが自身の実体験を交えながら、自分と対話し、自分を受け入れ「ほんとうのこと」を書くための文章術を解き明かしている。

「デミアン」ヘルマン・ヘッセ(著)

2冊目はヘルマン・ヘッセの「デミアン」。不良少年たちにいじめられているシンクレールは、不思議な力を持つ友人・デミアンに助けられる。そしてデミアンと交友を深めていくうちに、信仰にあつく勤勉な両親から教えられてきた価値観とは異なる新たな世界と出会っていく。世間の道徳や規律から離れて自分の内側へと深く潜り、自らの欲望や葛藤と向き合っていく、神秘的な物語だ。

「ムーミン谷の仲間たち」トーベ・ヤンソン(著)

3冊目はトーベ・ヤンソンの「ムーミン谷の仲間たち」。ムーミン谷に暮らすムーミンとその家族の日々を描いた人気シリーズだ。本作に収録された「目に見えない子」は、皮肉屋のおばさんから冷たい仕打ちを受けたことで、だんだん青ざめ、姿が見えなくなってしまったニンニのお話。ムーミンたちはあの手この手でニンニの姿を取り戻そうとするが、見えなくなったニンニの顔を取り戻すことはできない。誰かに嫌なことを言われても、怒ることができない弱気なニンニに、リトルミイは「たたかうってことをおぼえないかぎり、あんたは自分の顔を持てるわけないわ」と語りかける。自分自身であるためには、時には声をあげなければいけないことに気づかされる。

「超訳 ブッダの言葉 エッセンシャル版」小池龍之介(編訳)

最後は小池龍之介さん編訳の「超訳 ブッダの言葉 エッセンシャル版」。ブッダの教えをもとに、自分自身の怒りや欲望がどこから生まれるのかを見つめ、無意識に自分自身を束縛している思考のクセや習慣から自由になるためのヒントを与えてくれる一冊だ。

読書は自分の気持ちを整理しながら、何を大切にして生きていきたいのかを考えるきっかけを与えてくれる。忙しい毎日の中で少し立ち止まり、ふっと肩の力を抜いて素直な自分に戻れる時間をつくってみてはいかがだろうか。

オススメの4冊

  • 「ほんとうのことを書く練習」土門蘭(著)ダイヤモンド社
  • 「デミアン」ヘルマン・ヘッセ(著)高橋健二(訳)新潮文庫
  • 「ムーミン谷の仲間たち〔新版〕」トーベ・ヤンソン(著)山室静(訳)講談社
  • 「超訳 ブッダの言葉 エッセンシャル版」小池龍之介(編訳)ディスカヴァー・トゥエンティワン

丸善アスナル金山店は名古屋市中区金山1の17の1、アスナル金山3階。文庫や実用書、コミックなどの一般書を中心に約17万冊をそろえる。くつろぎながら児童書を選べる売り場があり、フロア内にはカフェも併設。営業時間は午前10時~午後10時。電話は052・211・9788。