夕張市の一般社団法人「清水沢プロジェクト」(佐藤真奈美代表理事)が、旧北炭清水沢火力発電所(夕張市)の100周年記念事業の第2弾として取り組むアートプロジェクトが開催されている。
タービン建屋で空間芸術を展示
展覧会「清水沢火力発電所タービンロータ50Hz/3000rpm」では、札幌市立大名誉教授でアートディレクターの上遠野(かとおの)敏さん(71)と同大卒業生(作家6人、スタッフ3人)のインスタレーション(空間芸術)などの作品が展示されている。卒業生は在学中の2011、14年に行われたアートプロジェクトにも参加している。
同発電所は1926年(大正15年)に完成した北炭(北海道炭礦汽船)の自家発電所。今回の展示エリアは、鉄筋コンクリート一部レンガ造りの地上2階地下1階の約500平方メートルで、発電機を回すタービン建屋の一部。92年の発電所廃止後、タービンのほか、蒸気を発生させるボイラーは撤去された。
炭鉱の記憶をよみがえらせる空間
会場は20世紀の産業や経済を支えた炭鉱や炭鉱街の暮らしの記憶をよみがえらせる空間となっている。建物の損傷が進み、壊れた窓から風雨が吹き込み、雨漏りで水たまりも広がるが、幻想的な雰囲気を漂わせている。
約280棟の炭鉱住宅のオブジェを配置した展示では郷愁を誘う光景が広がる。炭鉱住宅に残された模様入り窓ガラスを擦りとって色とりどりに転写した作品もあり、温かい家族のだんらんを回想させる。地元住民から提供された発電所の図面をもとに、当時の発電所職員から聞き取った内容をイラストで加えて作成した大型パネルは後世に残しておきたい貴重な記録となっている。
鑑賞ツアーは9月12日まで
上遠野さんは2004年から赤平市や三笠市など空知地方の炭鉱遺産を活用したアートプロジェクトを展開。08年には炭鉱や製鉄で栄えたドイツのルール工業地帯でアート、デザイン、建築によって街を再生させる先進事例を視察した。「僕らの作品が自己主張するのではなく、鏡の役割を果たし、アートで炭鉱遺産を輝かせることができればいいと思っている」と話す。
鑑賞ツアーは9月12日まで(9月3、7日は休み)。1日3回、各回5人程度。料金1500円(小学生以上の学生500円)。申し込みは清水沢プロジェクトホームページから。



