2026年7月3日に全国公開された『トイ・ストーリー5』が、早くも「今年No.1映画」との呼び声高い。全世界で記録的な大ヒットを記録しており、大人の観客からも絶賛の声が相次いでいる。その理由を探るべく、制作陣に直撃インタビューを実施した。
おもちゃたちの「不要感」が描く深いテーマ
本シリーズの特徴は、おもちゃたちの大冒険という楽しい側面に加え、子どもたちの成長や新たな関心事の登場により、おもちゃたちが「もう自分たちは必要とされていないのでは」と感じる寂しさや切なさを色濃く描いている点だ。ハリス監督はこのテーマについて、自身の子ども時代を振り返りながら語る。
「制作時に思い出すのは、やはり自分の子ども時代です。おもちゃと遊んでいた時の楽しさ、一緒に冒険した記憶、ユニークな個性を持つ彼らと外で友達と遊んだこと。そうした視点から物語が生まれています。私と共同監督のアンドリュー・スタントンは30歳差がありますが、おもちゃで遊んだ感覚や経験は同じで、非常に共感し合いました。脚本を書く際も『どうしたら観客に子どもの頃と同じ感覚を味わってもらえるか』という点で意見が完全に一致していました」
大人の視点から見える哀愁とノスタルジア
シリーズを通じて醸し出される哀愁や切なさについて、ハリス監督は「より大人らしい視点からくるもの」と説明する。
「おもちゃは子どもたちの面倒を見る存在で、ある種、親や世話役のような側面があります。大人になって過去を振り返ると、強いノスタルジアがある。特におもちゃは自分自身が変わることができないため、小さな頃から見守ってきた子どもたちが成長し、巣立っていくのを独特な視点で見守るわけです。これは、私たちが自分の子ども時代を振り返った時に感じるほろ苦いノスタルジアと非常に似ています。成熟した大人になるということは、子ども時代のいくつかの側面を置き去りにしなければならないからです。しかし『トイ・ストーリー』シリーズは、どの作品もその両面を巧みに織り交ぜています。観る者を再び子どものような気分にさせてくれる一方で、仕事や責任、大切にすべきものを持つ大人であることの意味の重みを思い出させてくれるんです」
94年生まれの若手共同監督が参戦
本作では、ピカピカのハイテク版バズ・ライトイヤー50体が登場。彼らのミッションは「スター・コマンド」に帰還することだが、その詳細は謎に包まれている。共同監督を務めるのは、94年生まれのアンドリュー・スタントン氏。『ファインディング・ニモ』や『ウォーリー』で知られる彼は、シリーズ第1作から原案や脚本で関わってきたが、監督を務めるのは本作が初めてだ。
スタントン氏は「ハリス監督と共に、新たな世代の観客にも響く物語を届けたい」と意気込みを語る。世代を超えて愛されるシリーズの最新作は、家族連れはもちろん、かつて子ども時代に『トイ・ストーリー』を観た大人たちにも、忘れかけていた感情を呼び覚ますだろう。



