俳優のトム・クルーズが6日、東京・銀座のKK線(旧東京高速道路)で開催された主演映画『DIGGER/ディガー』(10月9日公開)のジャパンプレミアで取材に応じた。新たな挑戦を続ける原動力について、「観客の心に残り続け、時代を超えて生き続けるものを生み出せるか。そのために自分は働いている」と語った。
挑戦し続ける理由
観客のために映画を作り続ける中で、新しい挑戦にはどんな意味があるのか。そう尋ねると、クルーズは「常に挑戦だ。自分の映画の作り方であり、夢見てきた映画作りでもある」と答えた。
子どもの頃から昔の映画を数多く観て育ったという。その経験から、自身も後世の観客に観続けてもらえる映画を作りたいと考え、技術を磨ける今の環境を「本当に幸運だと感じている」と語った。
映画への愛と学び
公開直後の興行成績や自身の知名度よりも、映画という芸術への愛が制作の原動力になっているというクルーズ。「大切なのは、いかに全身全霊を注ぎ込んで映画を作り、観客の心に残り続け、時代を超えて生き続けるものを生み出せるか」と、目指す映画作りを説明した。
会場での取材では、作品ごとの学びが次の挑戦につながっていることにも触れた。演技では直感を大切にしている一方、「その直感を発揮できるように、何年も何時間もかけてスキルを磨き上げてきた」と明かした。キャリア初期の『タップス』『卒業白書』から、『レインマン』『7月4日に生まれて』、さらに『トップガン』『ミッション:インポッシブル』まで、さまざまな作品で得た経験を演技に注いできたという。
劇場への愛着
今回の『DIGGER/ディガー』の役柄についても、「こんな役は今まで読んだことも、見たこともない」とコメント。アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督との映画作りを「この作品に関われたことは本当に名誉なこと」と振り返った。
こうして作った映画を観客に届ける場として、クルーズが大切にしているのが映画館だ。記者が「映画館で映画を観るのが本当に大好きです」と伝えると、「私もです。同じ気持ちです」と応じ、「みんなと一緒に観るのが好きなんだ。それが自分にとっての最高の映画体験だよ」と続けた。
「劇場での鑑賞は、一人ひとりが自分だけの体験を味わいながら、同時にその場にいる人たちと共有する体験でもある。それを心から愛している」と語り、ライブパフォーマンスやコンサートが好きなのも、同じ思いからだと話した。
「自分は映画館のため、そして劇場に足を運ぶ観客のために映画を作っている。もちろん後から配信などで観られることも知っているけれど、映画を大スクリーンで観たときのあの豊かさこそが、自分が映画を作る理由なんだ」
通算26回目の来日となった今回は、イニャリトゥ監督とともにワールドツアーの最終地として日本を訪問。制定20周年を迎えた「トムの日」に、長く観続けられる作品を目指す姿勢と、観客と共に映画を味わう喜びを語っていた。