『怪盗グルー』『ミニオンズ』シリーズの最新作『ミニオンズ&モンスターズ』(公開中)に、『スター・ウォーズ』の生みの親として知られる映画監督ジョージ・ルーカスが本人役で登場している。シリーズ4作品で共同監督を務め、全作品でミニオンの声を担当してきたピエール・コフィン監督が、ルーカス出演の舞台裏と、パリで実現した“夢のような20分間”の収録を明かした。
映画史に名を残す人物を登場させるアイデア
本作は、原始時代から最強最悪のボスを求めて旅を続けてきたミニオンズたちが、“映画の都”ハリウッドで繰り広げる大騒動を描く。偶然、撮影現場に紛れ込んだ彼らはサイレント映画のスターとなるが、トーキー映画の登場によって居場所を失い、再起を懸けて自分たちで“モンスター映画”を製作することになる。
ミニオンズの物語を映画史に重ねながら、1920年代の映画業界をはじめ、古典的なハリウッド作品やサイレントコメディ、モンスター映画、アニメーションの歴史など、さまざまな要素をちりばめた本作。その中でルーカスを登場させるアイデアは、スタッフとの話し合いから生まれたという。当初は、銅像だと思っていたものが突然動き出す場面を構想し、ライアン・ゴズリングやキアヌ・リーブスなど、誰の像を登場させるか検討していた。
コフィン監督にとって特別な存在
コフィン監督は「そのとき、誰かが『映画史に名を残す人物を登場させたら面白いのではないか』『ジョージ・ルーカスだったら最高じゃないか』と言ったんです。それは素晴らしいアイデアだと思いました」と振り返る。
コフィン監督にとって、ルーカスは自身を映画作りへと導いた特別な存在でもある。「僕が映画を作るようになったのは、子どもの頃に『スター・ウォーズ』を観たことがきっかけです。あの作品が映画作りへの情熱に火を付けてくれました。ですから、ジョージに出演してもらうことは、僕にとっても特別なことでした」と語る。
パリでの20分間の収録
出演交渉は、驚くほど速やかに進んだ。監督がプロデューサーに相談すると、「もちろん。電話してみるよ」と返された。プロデューサーとルーカスが友人だったことから、直接連絡を取ってもらい、出演が決まったという。
収録は、ルーカスが南フランスの自宅へ向かう途中、経由地のパリで行われた。コフィン監督は、以前からよく知る音響スタジオを数時間借り、技術スタッフやスタジオの責任者ら、ごく少人数でルーカスを待った。ルーカスは妻や子ども、数人の同行者とともに姿を見せると、すぐに収録を開始。約20分後にはスタジオを後にしたという。
憧れの人物との時間はあまりに短く、現実味のないものだった。コフィン監督は「収録が終わった後、スタッフ同士で顔を見合わせて、『今のは本当に起きたことなのか?』と話したほどです」と回想する。さらに、「『スター・ウォーズ』を作った人物が突然現れ、収録をして去っていった。不思議でしたが、本当に素晴らしい体験でした」と、映画への情熱の原点となったルーカスとの忘れがたい時間を感慨深げに振り返っていた。



