NHK「日曜美術館」の放送開始から50年。これを記念し、登場作品を映像とともに振り返る展覧会が静岡県立美術館(静岡市駿河区)で開かれている。この番組をきっかけに広く知られるようになったのが、静岡県焼津市出身の画家、石田徹也だ。現代社会に潜む孤独やかなしみが漂う絵は、今も国内外で深い共感を呼んでいる。
代表作「飛べなくなった人」の世界
曇り空の下、さびついた飛行機の遊具と「合体」したスーツ姿の青年。プロペラをつけて両手を広げるも、機体は支柱で地につながれている。うつろな瞳と感情のない表情が印象的な、同館が所蔵する石田の代表作「飛べなくなった人」だ。
「知られざる画家」を発掘した番組
日曜美術館で石田を取り上げた元プロデューサーの西松典宏さん(82)は2006年、旧知のギャラリーのオーナーから1冊の画集を渡された。前年に亡くなった石田の遺作集で、「描かれた青年が不思議なキャラで、不気味だけど思わず見入ってしまう。社会に対して何か訴えかけるものがある」と感じた。
銀座の三つのギャラリーで同展が開かれるなど、石田の作品は番組を通じて広く紹介され、現在も国内外で高い評価を受けている。



