新潟県の「長岡まつり大花火大会」では、毎年必ず打ち上げられる“白い花火”がある。それは「白菊」と呼ばれる3発の尺玉で、1945年8月1日の長岡空襲で亡くなった1480余名の犠牲者を追悼し、平和への祈りを込めて打ち上げられる。この白菊は、佐藤勝利が主演するアニメ映画『君と花火と約束と』でも、主人公とヒロインを結ぶ重要なモチーフとして描かれている。
花火大会の起源と長岡の特別な意味
日本の大衆的な花火大会の始まりは、18世紀に将軍・徳川吉宗の時代に東京の隅田川花火大会のルーツとされる「水神祭」で、大飢饉や疫病による死者の慰霊と悪疫退散を願って打ち上げられたと言われている。死者を悼む意味からお盆の時期に開催されることが多かったが、近年は猛暑の影響で秋や春の開催も増えている。
長岡の花火は、長岡空襲の犠牲者を悼み、平和への祈りをささげる目的で始まった。2003年からは、空襲が始まった時刻である当日の22時30分と、翌日からの花火大会の最初に、3発の「白菊」を打ち上げている。これは亡くなった犠牲者に対する哀悼のメッセージを込めたものだ。
『君と花火と約束と』と長岡花火の結びつき
映画『君と花火と約束と』では、この白菊が謎を解くカギとなる花火の絵として登場する。また、長生橋が架かる信濃川を舞台に繰り広げられる光の競演も描かれ、全国から多くの観光客を集める圧巻の美しさが映像から伝わる。
日本三大花火の経済効果
長岡まつり大花火大会は、秋田県の「全国花火競技大会」、茨城県の「土浦全国花火競技大会」と並び「日本三大花火」と称される。コロナ禍を経て4年ぶりの通常開催となった2024年の大会では、2日間で約2万発の花火が打ち上げられ、有料観覧席への来場者数は約34万人に上った。
実行委員会の資料によると、花火から警備まで含めた運営費用は12億8000万円だったのに対し、税収効果は合計で17億円を超える計算になったという。このように、長岡花火は地域経済にも大きな貢献を果たしている。



