俳優の蒼井優が主演を務めるTBS系金曜ドラマ『Tシャツが乾くまで』(毎週金曜 後10:00)。夏帆が演じるのは、第1話でバス事故に巻き込まれて亡くなった園田あずさ。家族3人で幸せに暮らしていたあずさはなぜ、夫・樹生(中島歩)に内緒で、第3金曜日に主人公・瀬尾咲子(蒼井優)の夫である充(松山ケンイチ)と会っていたのか。第6話では、咲子、樹生、充が一堂に会して話し合う場面も。充の口からはあずさとの関係が語られたが、まだ謎が多い本作。夏帆が思うあずさと樹生、あずさと充の関係性、そして物語のテーマについて語った。
樹生を演じられるのは中島歩しかいない
あずさを演じてみて、夏帆は「台本を読んでいたときよりもそのシーンが膨らんでいく印象を受けました。それはきっと(中島)歩さんと何度か共演させていただいた関係性があるからだと思います」と語る。撮影現場では「初めましての方だといろいろ探っていく時間があるけど、今まで一緒に時間を経てきたからこそ作れた空気感ってあるよね」と中島歩と話したという。
中島歩との息の合った芝居について、夏帆は「どのシーンも歩さんが率先してムードを作ってくださるので、私はその空気感に乗らせていただいています」とコメント。「最初に台本を読んだときから、歩さんが演じる樹生がすごく楽しみだったんです。撮影に入って、悩みながらも丁寧に気持ちの整理をつけながら演じられる姿がすごく素敵だと思いました。樹生を演じられるのは歩さんしかいないんじゃないかと思うくらいぴったりな役だなと」と絶賛した。
天真爛漫で達観したあずさの魅力
あずさと樹生の関係性について、夏帆は「話が進むにつれ、あずさが家族や夫に対して思っていることが、どんどん分かってくるのですが、あずさはすごく幸せだったと思います。でも、夫に不満がまったくないわけではなかったと思うんです。どんなに好きで近くにいても、相手に見せない顔があったり、その顔を自覚的に隠していたりもする。ただそれは、相手に秘密を作っているわけではなくて。誰にでも“自分だけの居場所みたいなもの”ってある気がします」と分析。
あずさという人物について、夏帆は「最初は、すごくまぶしい人という印象を受けました。天真爛漫で感情表現が豊か。自分を取り繕うことがない、素直で正直な人です。人を巻き込むエネルギーもあって、ちょっとした“ずるさ”みたいなものも持っている。その一方で、達観しているところもあるというのが、あずさの捉えどころのない魅力につながっていると思います」と語る。「あずさの魅力をどこまで演じきれるのか、私にとっても挑戦です」と述べた。
樹生が知らないあずさの一面については、「もしかしたら彼女の生い立ちも少なからず影響しているのかもしれないですが、本能的に人生を面白がる術を持っているなと思いました。『こういうふうに自分を見せたい』というよりも、もっと動物的に動いているというか。彼女なりに人間関係を築く上での考えもあって、それが充さんとの関係にもつながっているのかなと感じています」と話した。
ものづくりが好きな人たちが集まった撮影現場
共演者について、夏帆は蒼井優について「10代の頃にCMでご一緒させていただいたことがあります。ユーモアもあって、とてもかっこいい方です。ずっと憧れていたので、今回(作品として)初めて共演できて、『仕事を続けてきて良かった』と思いました。セリフのニュアンスや仕草、表情などの繊細なお芝居の積み重ねで咲子の心情がより立体的になっていくのを見て、本当に素敵な俳優さんだと思いました」とコメント。
松山ケンイチについては「直接顔を合わせてお芝居するのは初めてです。お芝居はもちろん、お芝居以外のことも『どうやったら楽しんでもらえるのか』と、遊び心を持って考えている方だと感じています。撮影の合間に、作品のことからたわいもないことまで、いろいろお話しさせていただいていますが、それが少しあずさと充みたいだなと(笑)。大先輩ですが、とても居心地が良くて、フラットな自分でいられます」と述べた。
高橋文哉については「とてもしっかりした方。年下ですが、すごく頼りにしています。私が『初めてお芝居する相手や初めての場所だとなじむのに時間がかかる』という話をしたら、高橋くんが『そうなんですか!? 僕はすごく楽しかったです!』と、キラキラした目で話してくれて。本当にお芝居が好きなんだと思いました」と語った。夏帆は「優さん、歩さん、松山さん、高橋くん。本当にものづくりが好きな方たちが集まった作品だと感じています」と総括した。
生方脚本の難しさと後半の見どころ
生方美久さんの脚本について、夏帆は「とても難しいです。日常会話のようでいてそうではなく、軽やかなやりとりの中にすごく強い言葉がある。ちょっとしたニュアンスで伝わり方が変わるような言葉など、生方さんらしい言葉がちりばめられています。お芝居の中で自分の言葉にできるように、毎回試行錯誤しながら臨んでいます」と語る。
本作について生方さん自身が「共感ではなく、人間観察」とコメントしていることについて、夏帆は「誰かに寄り添うような優しい物語ではないですが、だからこそ何か残るものがあるような気がします。台本を読んでいると、誰にでも人に見せたくない面があって、それは自分の中にもあるということに気づかされます。生方さんのフィルターを通して、人の持つずるさや不器用さ、人間模様が描かれているところがすごく面白いです」と述べた。
今後の見どころについて、夏帆は「こんなに見どころを説明するのが難しい作品というのもなかなかないですが(笑)、それが今回のドラマの一番の見どころなのかなと思います。視聴者の皆さん、いろいろ考察されていますよね。私も話の展開を何となく想像しながら台本を読んでいるのですが、毎回ことごとく覆されています(笑)。『こっちに話が展開していくんだ』という驚きがあるので、見終わった後に皆さんといろいろ話してみたいです」と語った。
「後半、生方さんが描きたいテーマみたいなものがどんどん浮き彫りになって、そのテーマが明確に見えたときに『すごい!』と思わず声が出てしまいました。核心とは違うのかもしれませんが、この作品が描きたいものがあずさと充の関係性の中にもあるのかなと。私自身、『自分も知らず知らずのうちに凝り固まった価値観を持っているのかもしれない』という気づきがありました。新たな視点で誰かと関係性を築いていく、そんなことに目を向けられる作品になっているのではないかと思います」と締めくくった。



