『現代軍事学入門』書評:ウクライナの持久力の源を軍事学で読み解く
『現代軍事学入門』書評:ウクライナ持久力の源を読み解く

翻訳者の山形浩生氏が、武内和人著『現代軍事学入門 文脈・政策・運用・管理』(作品社、2700円+税)を書評している。タイトルに偽りなく、軍事学の大枠を簡潔にまとめた一冊だ。

入門書の枠を超えた高度な内容

本書は入門と銘打ちながら、漠然とした概念や一般受けするネタを並べただけではない。かなり高度な内容までカバーし、書きぶりも入門教科書に近いという。

かつて戦争は第三世界の小競り合いしかなく、国連安全保障理事会の常任理事国が率先して爆撃侵略する時代は想像もできなかった。軍事は限られた専門家と好事家だけのテーマで、一般人は「戦争反対、平和は大事」と繰り返していればよかった。

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平和は願うだけでは実現しない

しかし今や状況は一変した。願うだけでは平和は実現せず、国連や各種条約も侵略や攻撃を防ぐものではない。戦争を防ぐ交渉や話し合いも、軍事的な裏付けがあってこそ成り立つ。そのための軍事をどう整備すべきかを論じる学問が、本書で扱う軍事学だ。

山形氏は、ウクライナの驚異的な持久力の源を軍事学的に読み解く鍵として本書を位置づけている。

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