戦時中、地域の組織・隣組で政府の方針などを伝えた回覧板に焦点を当てたテーマ展「回してちょうだい回覧板 暮らしのなかの戦争」が、埼玉県東松山市の埼玉ピースミュージアム(埼玉県平和資料館)で開かれている。30日まで。入館無料。
約100点の回覧板を展示
昭和16年12月8日の開戦当日に埼玉県が発表し、回覧板で周知した「県民ニ告グ」の文書をはじめ、増産、輸送、他国のスパイによる工作活動を防ぐ防諜といったテーマごとに回覧板など約100点を展示する。
回覧板に込められた戦時中の要請
回覧板では、開戦前後の鉄道輸送の事情から16年7月には東京市(現東京都)が「旅行は一切差控えて」、同年12月には鉄道省深谷駅長名で「国策輸送に協力」と要請。17年7月の「スパイを防ぎませう」など防諜関連の回覧板については、同館の「警戒とともに、人々の相互監視を求めるものだった」などの解説文が提示されている。
貴金属供出を求める回覧板も
19年ごろの福島県の「銀・白金・ダイヤモンドの非常回収!!」では貴金属が航空機生産などに必要と説明した上で、「(供出に)最早一瞬の躊躇(ちゅうちょ)も許されません」と呼び掛けている。
来館者の声
同館学芸員の鈴木一史さんは「暮らしに一番身近だった回覧板の言葉から戦争がどう捉えられていたかを知ってほしい」と話す。中高生世代にも好評だといい、来館した18歳の女子専門学校生は「戦時中の回覧板は初めて見た。授業で学んだことを深く知ることができた」と話していた。



