『BLEACH』声優・森田成一&折笠富美子、22年経て仲間から家族に アニメ完結は「実感ない」
『BLEACH』声優、22年経て仲間から家族に 完結は「実感ない」

2004年に放送が始まった人気TVアニメ『BLEACH』の最終章『BLEACH 千年血戦篇』。その最終クールとなる「禍進譚」が10月26日の放送で最終回を迎える。アニメ放送開始から22年、黒崎一護たちのクライマックスが描かれる。

オリコンニュースは、黒崎一護役の森田成一と朽木ルキア役の折笠富美子にインタビューを実施。今の心境やシリーズで共演してきたキャストの関係性、自身のキャリアにおける一護とルキアの存在について聞いた。

完結の節目も「実感ない」

最終話までの収録を終えた心境について、森田は「演じきってはいますが、不思議なことに終わった実感がまったくなくて」と語り、折笠も「私も全く同じ気持ちです」と続けた。

一つの作品を録り終えた感覚に近いかと聞かれると、森田は「そうなのですが、一区切りもついていないような感じもあります。『何クールもある中の途中のクールが終わりました』といった感覚が近いです」と説明。折笠も「たしかに。節目の前からもう次が始まるような雰囲気で、戦いの中のひとつを終えたみたいな感じです」と同調した。

最終話が放送されるまでは実感がわかないという森田は、「ゲームなどの収録もあるので、『千年血戦篇』が一護を演じる最後だという意識はないです」と明かす。他のキャストも「詳しく話し込んだわけではありませんが、似たような空気感でした」という。

22年で深まったキャラクターへの向き合い方

演じてきたキャラクターへの向き合い方の変化について、森田は一護について「成長物語でもあったので、最初の頃と今の一護はかなり変わったかなと思います。ただ考え方の骨子は変わっていません」と語る。「護る」ことが大きなキーワードで、「護る範囲も大きくなったし、質も変わっていきました。ただ、その表現が『大人になった』とはちょっと違う気がしています」と述べた。

折笠はルキアについて「根底に流れるものはずっと変わっていないけど、いろいろ戦って、考えて、感じたなかでの成長という部分では、森田くんも言葉にしているように、やっぱり大人になるという言い方はちょっと違うなと思います」と話す。「想いは変わらないけど、ルキアは一護をはじめ、周りの人たちとの距離感や接し方が、どんどん変わっていったなというのはあります」と振り返った。

時間軸に例えると、一般的な時間の流れは「横軸」だが、折笠は「どちらかというと『縦軸』に近い気がします。深まり方が上にも下にも行くような広がりが感じられます」と表現。森田は「単純に時系列を過ごした、歴史を過ごしたといった、『〇〇年に何々がありました』という感じではないですね」と応じ、「リアルな人間の年の取り方というか。そんな感覚に近いかもしれないです」と語った。

変わらないアフレコ現場の空気感

長年共演してきたキャストとの関係性について、森田は「変わらないですね」と断言。「『千年血戦篇』で久しぶりに(『BLEACH』の)アニメの現場に入ったとき、緊張はしました。だけど入った瞬間、スーンって昔に戻っちゃうというか。まるっきり現場の雰囲気が変わらなかった」と振り返る。折笠も「そこは有り難く変わらないですし、みんながいてくれる安心感があります。何の言葉を交わさなくても通じ合えます」と語った。

学生時代のクラスメイトや戦友のような感覚かと聞かれると、森田は「それに近いものはありつつも、それよりも家族に近いかな」と答え、折笠は「親戚といえるかも(笑)」と続ける。森田は「親戚の法事で集まったみたいな感じだね。死神だけに(笑)」と笑いを交えて表現した。

最初のアニメ放送当時の現場について、森田は「ライバルの部分もあるし仲間の部分もある。ただ『BLEACH』の現場は基本的にそういうギスギス感はありませんでした」と説明。「僕たちの世代以外は大ベテランの人たちがゾロっといらっしゃって、一人一人が護廷十三隊の隊長格です(笑)」と当時を懐かしんだ。折笠も「うん、強いよね(笑)」と応じる。

森田は「なかなか、それだけの先輩たちの演技を一挙に見ることはできないので、勉強するには持ってこいでした」と語り、折笠は「霊圧が高かったよね(笑)」と当時の現場を表現。そうした現場を経て、仲間から家族へと変わったという。

一護とルキアの特別な存在

キャリアの中で一護がどのような存在になったかについて、森田は「なくてはならない役になりました」と語る。「『BLEACH』が全世界で受け入れられて大人気を博し、どんどん広がっていく過程で、僕自身も『一護』って声をかけられるようになりました。『一護のことをみんなこんなに知っているのか』というのを実感したことで、自分にとってはなくてはならないと、より強く思うようになりました」と振り返る。

一方で、「まだ一護は『終わっていないキャラクター』であり、自分でもまだまだ成長できるキャラクターという思いもある。昔演じた懐かしいキャラクターのような位置付けでは、まったくないです」と述べた。長年演じていると同一化する場合もあるが、「一護は同一化が全くないキャラクター。一護に関してはいつも客観視しており、そこは自分でも不思議です」と話す。「なくてはならないけど自分自身ではないキャラクターで、そういう意味では特別ですね」と語った。

折笠はルキアについて「芯が強くて憧れるキャラクターだなと思って、ずっと追いかけています。だから同一化ではなくて、引っ張っていってもらっている感覚が強いですね」と明かす。初期の頃のお茶目な面については「あそこは…楽しんでいました」と笑顔を見せた。

一護とルキアの絆は「ずっと変わらない」

物語は一護とルキアの出会いから始まった。2人の魅力について、森田は作者・久保帯人氏とのエピソードを披露。「久保先生に『BLEACH』で一番最初に出来上がったキャラクターは誰だったんですか?』とお聞きしたら、ルキアだったとのこと。さらに『なんでルキアは死神なのですか?』という質問には、『ルキアを描いて、そのキャラクターを見て「死神のキャラクターだな」ってなったから死神の話を描こうと思った』という答えが返ってきました(笑)」と明かした。

「『BLEACH』はルキアという存在があって、そこから一護が派生した」と森田。久保氏によると、まずルキアから一護が生まれ、次に一護が他の人と出会うことでキャラクターが生まれ、ルキアからも同様に生まれ……という流れで倍々に広がっていったという。折笠は「(ルキアは)曼荼羅(マンダラ)の真ん中にいたんだ!」と応じる。

折笠は「立場とか種族とか、いろんなことをそれぞれ抱えてはいるけど、最初の出会いは魂と魂の出会いだったのだろうなって思うと、すごくシンプルなところから始まったものが、こんなにも世界が広かったのかみたいな驚きがあります」と語った。

森田は「一護とルキアは全体を俯瞰して見たとき、関係性はそんなに変わっていないと思います。お互い強くなったというような変化はあるけど、人間的な変化に関してはずっと筋が通ったまま、揺るがない何かがある」と述べ、「どのキャラクターもぶれないものを持っています。それによって演じやすかった部分もあれば、逆に考えさせられたことも。だからこそルキアと一護の付き合いは変わらずに行けたのかなとも思います」と語った。

折笠は「きっと2人の関係はこの先もずっと変わらない気がしています」と締めくくった。