自転車のハンドサイン再確認、安全で思いやりのある走行のために
自転車ハンドサイン再確認、安全で思いやりのある走行

先日、近所への買い物で自転車を走らせていた時のこと。前方に実用車(いわゆるママチャリ)に乗った70代くらいの男性が走っていた。その男性が交差点に近づいた時、不意に左手がハンドルから離れ、左方向を指し示した。ハンドサイン(手信号)だ。後方にいた自動車(同じく左折のためウィンカーを出していた)はスピードを下げ、左折する自転車の妨げにならないよう配慮した。結果、男性はスムーズに左折を終えることができた。

これまでハンドサインは、上級者のグループライドなどでしか見かけないことも多かったが、実用車に乗った単独走行の男性は、適切な場所で迷うことなくスムーズにサインを出し左折していた。後方のドライバーに安心感を与え、周囲に対する「思いやり」も感じられた。

手信号の法的根拠と重要性

手信号は、道路交通法第53条「合図」に定められており、合図を怠った場合は罰則の対象となる可能性がある。4月から自転車への交通反則通告制度(青切符)が導入され、車道走行の原則がより強く周知される中で、道路を使用するうえで安全を守るために欠かせないルールのひとつとして、改めて意識されている。

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自動車やオートバイには、進路変更や右左折を示す方向指示器、減速や停止時に点灯するストップランプが備わっている。一方、自転車にはそれらの装備がないため、手の動きによって意思を周囲に伝える必要がある。

今回はその手信号について、写真を見ながら解説していこう。

日常で使うことの多い合図3選

進路変更や右左折は、すべて右手で行う方法もあるが、今回は見た人が直感的に分かりやすい左右の手を使う方法で説明する。

右折と右への進路変更

右折の時は、右手を水平に肩の高さまで上げる。指を指す必要はないが、一般的にはより後方に伝わりやすいとされている。合図は停止線の手前で行うのが基本だが、できるだけ早めに出すのが望ましい。

左折と左への進路変更

これは左折の合図である。すべて右手で行う場合は、右手を肘から直角に曲げる方法もあるが、写真のように左手を進行方向に水平に伸ばす方が直感的に伝わりやすい。停止線の手前で減速し、必要に応じて一旦停止したうえで、走り出す前に合図を出すのが理想的である。

右左折は、合図を出したからといって自分のタイミングで行ってよいものではない。特に後続車との距離が近い場合や、追い越しのタイミングでの右左折は非常に危険である。目視での安全確認も忘れずに行いたい。

減速と停止

信号や一時停止標識の手前で、手のひらを後方に向けながら腕を後ろに引くことで、減速や停止の意思を周囲に伝えることができる。片手運転で急に減速するとバランスを崩すこともあるため、この合図はできるだけ早めに出すのが理想的だ。

一般道では、やむを得ずハンドサインを出せない場合もある。片手をハンドルから離すことが危険な場合は、安全な走行を優先するのが望ましい。また、進行方向に障害物があったり、不整地など危険な状況では無理にハンドサインを出す必要はない。周囲との安全な距離を保ち、安全な速度で通過することが重要である。

自動車運転者からの視点

自動車を運転する人にとっても、自転車との接触事故は大きなリスクである。視界に入る自転車がどのような動きをするのかをドライバーは想像以上に意識している。ハンドサインはできるだけ大きな動きで分かりやすく伝えるのがコツだ。分かりやすい手信号は、周囲に安心感を与えると同時に、自分自身の安全確保にも大きく寄与する。

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グループライドでも役立つ合図

路面状況・障害物あり

路上に障害物などがあった場合、後続に知らせるサインである。単独走行ではあまり使わないかもしれないが、後続の自転車にとって非常に有効といえる。

減速(停止)

このサインは先に解説した減速・停止と同様だが、グループライドでは主に「減速」や「追い越さないでほしい」という意思表示として使われることが多い。

ハンドサインの重要性

ハンドサインは、以前からルールとして定められてはいたものの、日常の中で実践される機会は少なく、広く定着していたとは言い難い。筆者は日常的に自動車を運転する機会も多いが、ハンドサインや安全確認の動作があることで、自転車に対する安心感が大きく変わると感じている。周囲に不安を与えないことが「思いやり」であり、安全な自転車ライフを送るための大切な要素である。最初は抵抗があるかもしれないが、今一度ハンドサインの重要性を考え、ぜひ実践していただきたい。