聴覚障害者支援へ「移動手話交番」設置へ 青森県警、2年前から人材育成
聴覚障害者支援へ「移動手話交番」設置へ 青森県警、2年前から人材育成

10月23日から始まる「青の煌めきあおもり障スポ」で、聴覚障害のある選手や来場者の困りごとに迅速に対応できるよう、手話のできる県警職員が詰める「移動手話交番」が設置される。県警が手話のできる職員を育成する取り組みは全国でも初めてで、2年前から準備を進めてきた。

8回の研修会で手話を学ぶ

7月末、県警本部で本番に向けた全8回の追い込み研修会が始まった。この日は、自身も聴覚障害がある県ろうあ協会事務局長の浅利義弘さん(62)から、県警職員6人が約2時間にわたり手話を学んだ。

受講者たちは、障スポ期間中の10月23日から25日まで、移動交番車2台に分乗し、青森市と十和田市の競技会場で遺失物対応や道案内などにあたる予定だ。手話を学ぶ巡査部長の中岡大貴さん(31)は「緊張や不安もあるが楽しみたい。県外の人の助けになれれば」と話す。

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きっかけは2年前の要望

移動手話交番の設置は、2年前に浅利さんが手話のできる警察官がいる「手話交番」の常設を県警に要望したことがきっかけ。警視庁と神奈川県警には事例があるが、予算や人材不足が課題だった。県警と協会は検討を重ね、まずは障スポに向けて手話のできる職員を育成しようと希望者を募った。

手を挙げたのは、手話通訳者の資格を持つ鉄道警察隊長代理の黒滝和代さん(60)ら8人。研修や行政の手話講座に通い、黒滝さんを含む3人が業務で手話通訳ができるまでに上達し、残る5人も日常会話ができるようになった。

障スポ後も育成継続へ

手話通訳のできる職員を育成する取り組みは全国でも県警だけ。主導してきた県警刑事企画課渉外官の太田直城さんは「障スポがなかったら実現しなかった」と振り返る。「学んだ手話が通じるのか」「手話通訳は民間に任せればいい」といった疑問や意見もあったが、太田さんは警察官が手話を使うメリットとして、専門知識や取り調べの技術による円滑な事案対応を挙げる。

県警は障スポ後も手話話者の育成を続け、聴覚障害者が関係する事件や事故、手続きへの対応を強化する方針。太田さんは「障スポをきっかけに障害を持つ人の情報保障や共生社会が広がってほしい」と期待している。

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