アップルがAIを再構築、Google提携で競争へ
2026年6月15日、WWDCの基調講演でティム・クックCEOが登壇。9月1日にCEOを退任するため、同職として最後の登壇となった。アップルはAI戦略を大幅に見直し、Googleとの提携を発表した。
今年1月、アップルとGoogleは、GoogleのAI「Gemini」をアップルのAI開発に提供することで合意。第3世代Apple Intelligenceはこのパートナーシップに基づき再設計され、リリースに足る能力を備えた。
ただし、AndroidやPC向けのGeminiがそのまま搭載されたわけではない。プライバシー対策などで両社の考え方は異なるため、アップルはGeminiを教師データとしてApple Intelligenceを鍛え直し、別のAIモデルを構築。クラウドではなく機器内で処理を完結させる範囲を増やし、プライバシー保護の仕組みも整えた。AIの学習では、他社のAIを手本にコンパクトなAIを作る手法を採用。正式な契約のもとで再学習が行われた。
Apple Intelligenceの中身は、グラデーションで表現された部分がアップルとGoogleの共同開発部分である。
先端AIとの競争
アップルはAIでの遅れを取り戻したのか? 筆者の答えは「イエスでありノー」。ノーは「まだ遅れている」という意味ではなく、「これからが重要」という意味だ。
消費者向け先端AIサービスを提供できていなかった点ではアップルは後れを取っていたが、今回の発表で挽回。今秋から英語でスタートし、その後速やかに日本語を含む多国語対応を行う。
重要なのは、AIが消費者にどの程度の価値を提供できるかだ。この点ではどの企業もようやくスタート地点に立った。ChatGPTは「チャッピー」と呼ばれ、多くの人にとって相談相手になりつつある。社会問題も顕在化したが、認知度は高い。
「エージェンティックAI」が本物の変化をもたらす
次ページでは、エージェンティックAIがもたらす変化について詳述する。



