アップルがAIを再開発、Googleと連携し「誰もが使うエージェント」競争に挑む
ビジネス アップルはなぜAIを"作り直した"のか――Googleと組んで挑む、「誰もが使うエージェント」競争の勝算 11分で読める 公開日時:2026/06/15 13:30 WWDCの基調講演に登壇したティム・クックCEO。9月1日にCEOを退くため、同職としては最後の登壇になる(写真:筆者撮影) 西田 宗千佳 フリージャーナリスト フォロー
2年前の公約を実現する「第3世代Apple Intelligence」
6月8日(アメリカ時間)、アップルは年次開発者会議「WWDC 26」を開催した。同社製品の方向性をお披露目する重要なイベントだ。特に今年は「AI機能のアピール」に長い時間を割いて説明した。2年前に発表したものの、開発が難航し、機能の一部しか提供できなかった「Apple Intelligence」の再始動といえるものだ。
AIでスマホが変わる、という話は喧伝されるものの、多くの人にとってはまだピンと来ていないかもしれない。「ChatGPTはアプリで使えるし、それでいいのでは」という人もいそうだ。では、アップルはなぜ「再開発」という大変な手段を経てまで、自社製品の中にAIを組み込もうとしているのだろうか。他社、たとえばGoogleやサムスンとの違いはどこにあるのだろうか? その点を解説してみたい。
Googleと組んでAIを再開発
今回発表されたのは、アップルのAI機能である「Apple Intelligence」の刷新だ。主軸はApple Intelligenceの刷新(写真:筆者撮影) 2024年の発表時から数えて3世代目の機能ではあるが、中身は別物に刷新された。できることは多岐にわたっている。もっとも目立つのは、アップルのAIアシスタントである「Siri」が「Siri AI」になったことだ。音声対応が滑らかになったのはもちろん、対応内容自体の品質が変わる。
先端AIと競争するアップル・Google
第3世代Apple Intelligenceでは、iPhoneやMacの中にある「メールの履歴」「アプリの利用状況」「対話した内容」など、個人の行動履歴を分析しつつ、それを踏まえて回答をする。第3世代Apple Intelligenceが動作しているiPhoneとMac(写真:筆者撮影) 第3世代Apple Intelligenceが動作しているiPhoneとMac(写真:筆者撮影) 【写真を見る】アップルはなぜAIを"作り直した"のか――Googleと組んで挑む、「誰もが使うエージェント」競争の勝算(6枚) 次ページが続きます:【iPhoneやMacなどの機能としてAIを取り込む試み】
多くの企業を悩ませる「AIコスト」
AI機能の高度化に伴い、計算リソースやエネルギー消費が増大している。アップルはGoogleのクラウドAIインフラを活用することで、コストを抑制しつつ高品質なAIを提供する戦略だ。これにより、競合他社に対して優位に立つ可能性がある。
「多くの機能が無料」であることがアップルの強みになる可能性
アップルはAI機能の多くを無料で提供する方針を示している。これは、ユーザーに追加費用を負担させずに高度なAI体験を提供できるという点で、大きな強みとなる。Googleやサムスンが有料サービスを展開する中、無料戦略はユーザー獲得に有効だ。



