浪費癖は遺伝子のせい?衝動買いを防ぐ脳科学的対策とは
浪費癖は遺伝子のせい?衝動買いを防ぐ対策

「節約しようと思っても、なぜか無駄遣いを繰り返してしまう」。そんな悩みを抱える人は少なくありません。実は、衝動的な消費行動には遺伝的な要因が関係している可能性があるといいます。本記事では『最新科学が解き明かした お金と脳の残酷な真実』(菅原道仁/秀和システム新社)から、浪費癖と脳・遺伝子の意外な関係について紹介します。

浪費家になるか倹約家になるかは、生まれた瞬間に決まっている?

「また無駄遣いをしてしまった……次こそは気をつけようと誓ったのに」。そうやって何度も自己嫌悪に陥っている人に、脳神経外科医としてお伝えしたい真実があります。実は、浪費が直らないのはあなたの意志が弱いからでも、性格がだらしないからでもなく、生まれ持った「遺伝子の構造」のせいかもしれないのです。

衝動性を制御する「MAOA遺伝子」

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のジャン=エマニュエル・デ・ネーヴらの研究チームが発表した論文によると、衝動性を制御する「MAOA遺伝子(通称:戦士の遺伝子)」の活性が低い人は、クレジットカードの負債を抱える確率が約4%高いことが、約12,000人のデータから示されました。この遺伝子変異は、衝動性や即時的な満足を求める傾向とも関連があるとされています。

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なぜ「戦士の遺伝子」が現代に残っているのか

なぜこのような厄介な遺伝子が残っているのでしょうか。それもまた、原始の狩猟採集時代に遡ります。かつて人類が厳しい自然環境で生き残るためには、未知のリスクを恐れずに獲物に飛びかかる「戦士」のような気質が非常に有利に働きました。しかし、安全で豊かな現代の資本主義社会において、この「後先考えない突撃システム」は、単なる借金増幅マシーンとして機能してしまうのです。あなたがクレジットカードの翌月請求額を見て青ざめるのは、決して自己管理能力が低いからではありません。DNAに深く刻まれた生存戦略が、現代の金融システムと絶望的に噛み合っていないだけかもしれません。

遺伝子に打ち勝つための具体的な対策

「借金地獄になるかは生まれつき決まっている」わけではありませんが、衝動的な消費行動に遺伝的な素因がある可能性を知っておくことは、自分に合った対策を講じるうえで有益です。意志の力だけで衝動を抑え込もうとしてうまくいかない人は、そもそも「意志で戦う」のではなく、「環境を整える」アプローチのほうが効果的かもしれません。

精神論を捨て、物理的な仕組みを作る

  • クレカを物理的に解約する:衝動を意志で抑えるのは不可能です。今すぐクレジットカードにハサミを入れ、借金できる環境を破壊します。
  • デビットカードに切り替える:支払いは口座の残高以上は絶対に引き落とされないデビットカードのみに限定し、強制的に支出を制限します。

『最新科学が解き明かした お金と脳の残酷な真実』(菅原道仁/秀和システム新社)は、人気脳神経外科医である著者が、最新の脳科学の知見をもとに、私たちの脳がいかにお金の罠に陥るのかを解説する一冊です。浪費、投資、節約、依存といった日常のリアルな場面において、脳内でどのようなエラーが起きているのかを紐解き、自動的にお金が貯まる実践的なアプローチを提示します。

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