東急線内のモバイルバッテリー充電はお控えを? 火災受け物議、同社の見解は
東急線内モバイルバッテリー充電お控えを?火災受け物議

東急電鉄がモバイルバッテリーの車内充電を控えるよう呼びかけ、物議に

2026年6月17日、東急電鉄が公式X(旧Twitter)アカウントで、モバイルバッテリーの車内充電を控えるよう呼びかけたことが波紋を広げている。背景には、同社線内でモバイルバッテリーからの発火事故が相次いでいることがある。しかし、この呼びかけに対し、SNS上では「現実的な対応ではない」との声が相次ぎ、疑問や反発の意見が噴出。ITmedia NEWS編集部は、これらの疑問を直接東急電鉄にぶつけてみた。

発火事故の経緯と東急電鉄の呼びかけ

東急電鉄は6月15日、東横線内でモバイルバッテリーの充電中に発火が発生したと報告。これを受け、「車内での充電はお控えくださいますようお願いいたします」と呼びかけた。同時に、落下などによる衝撃にも注意を促し、発煙や発火を発見した場合は「落ち着いて安全確保の上、すみやかに係員へお知らせ」するよう促した。

しかし、X上では、駅構内にモバイルバッテリーシェアリングサービス「ChargeSPOT」の貸出台を設置していることとの矛盾を指摘する声や、呼びかけの実効性そのものを疑問視する声が相次いだ。実際、電車移動においては運行情報や乗車券アプリなど、スマートフォンを活用したサービスが前提となっており、車内充電を控える呼びかけが利用実態と整合するかが論点となっている。

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東急電鉄の見解:持ち込みは禁止せず、充電のみ控えを要請

ITmedia NEWS編集部が東急電鉄に直接問い合わせたところ、以下の回答があった。

まず、モバイルバッテリーの持ち込み自体は禁止していないという。「モバイルバッテリーの持ち込み自体を禁止しているものではない」と明確にし、バッテリーを所持して乗車することは問題ないとした。

一方、車内での充電については、「車内は発火時のリスクが大きくなる環境」として、「(車内で)ケーブルを接続しての充電、ワイヤレスによる充電のいずれもお控えいただくようお願いしている」と説明。あくまで充電行為のみを控えるよう要請している。

ChargeSPOTについては、「車内での充電はお控えいただき、ホームや駅構内にて充電いただくようお願いしている。ChargeSPOTについては駅構内での使用は可能」とし、駅構内での利用は認めている。

今後の対応:現時点では禁止などの厳格化は検討せず

今後の車内への持ち込みや使用ルールの厳格化については、「現時点では、車内でモバイルバッテリーによる充電をお控えいただくお願いとして周知している」「今後の車内への持ち込みや使用ルールの取り扱いについては、安全面への影響などを踏まえながら、必要に応じて検討していく」と回答。現時点では禁止などの厳格化には踏み込まない方針を示した。

また、航空機の座席のような充電設備を車内に整える考えがあるかについても聞いたところ、「一部列車(有料座席指定サービスQ SEAT車両)には設置しているが、現時点では計画はない」という。

相次ぐモバイルバッテリー発火事故

東急電鉄では、モバイルバッテリーに起因する線内での発火事故が相次いでいる。5月18日には田園都市線の鷺沼駅で、男子中学生のリュックサックに入っていたモバイルバッテリーが出火。隣にいた女性が右腕に軽傷を負った。

6月15日には、東横線の祐天寺駅に停車中の電車内で、乗客のモバイルバッテリーから発火。けが人はいなかったが、東横線は約35分間にわたって全線で運転を見合わせ、相互直通運転を行う各線にもダイヤの乱れが波及し、約3万5400人に影響した。

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このような事故を受け、東急電鉄は注意喚起を強化しているが、利用者からは「スマホを使う以上、充電は避けられない」との声も上がっており、今後の対応が注目される。