政府は、インターネット上で拡散するフェイクニュースへの対策として、人工知能(AI)を活用した真偽判定システムの開発を支援する方針を固めた。関係者によると、2025年度中に実証実験を開始し、2027年度の実用化を目指す。
背景と狙い
SNSや動画サイトを通じて誤情報が急速に広がるケースが後を絶たず、2024年の選挙期間中にも複数のフェイクニュースが拡散された。政府は、民主主義の基盤を揺るがしかねない事態と認識し、対策を急ぐ必要があると判断した。
新システムでは、AIが記事や投稿の内容を分析し、信頼できる情報源との照合や、画像・動画の改ざん検出などを通じて真偽を判定する。判定結果は「真実」「偽」「未確定」の三段階で表示される見通し。
技術開発の支援内容
政府は、AI開発企業や研究機関に対し、総額50億円規模の補助金を投入する。具体的には、自然言語処理や画像解析技術の高度化、データベース構築などを支援する。また、判定アルゴリズムの透明性を確保するため、第三者機関による検証も実施する。
さらに、海外の類似技術との連携も視野に入れ、国際的な枠組みでの情報共有を推進する。総務省と経済産業省が連携し、2024年度中に専門のワーキンググループを設置する。
課題と懸念
一方で、AIによる真偽判定には課題も多い。表現の自由やプライバシーへの影響を懸念する声や、判定の精度を巡る議論がある。政府は「言論の統制にならないよう細心の注意を払う」としているが、実効性と両立できるかが問われる。
専門家からは「AIだけで全てのフェイクニュースを排除するのは困難。メディアリテラシーの向上も同時に進めるべきだ」との指摘が出ている。



