若者のクルマ離れは嘘?ヤングタイマー車が若者を魅了する理由とその背景
若者のクルマ離れは嘘?ヤングタイマー車が若者を魅了

若者のクルマ離れは本当か?ヤングタイマー車が若者を惹きつける

「若者のクルマ離れ」が叫ばれて久しいが、今や若い世代の間で「ヤングタイマー車」が大人気だという。レトロブームの一環かもしれないが、実際のところはどうなのか。ヤングタイマー車オーナー向けカーフェスイベントを主催したtokyo basic car club代表取締役CEOの南部翔也さんに話を聞いた。

5月16日に大磯ロングビーチで初開催されたヤングタイマー車オーナー向けカーフェス「ロマンティックカーズ」には、250台以上のヤングタイマー車が集まった。ヤングタイマー車とは1980年代から2000年代前半に販売されたクルマを指し、それ以前は「オールドタイマー車」と呼ばれる。

このイベントは、クルマのスペックやグレードではなく、「なぜそのクルマを選んだのか」という個人の物語を共有することを目的としている。会場にはドライブインシアターも併設され、愛車と過ごす時間を楽しむ企画が盛り込まれた。

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若者がヤングタイマー車を選ぶ理由

イベントを主催した南部さんは、開催意図を次のように語る。「昔は夜中の埠頭や公園で集まるような野良カーミーティングをしていましたが、会社としてそれはできません。ただ、小さな接点でも、つながっている人たちが一度に集えるコミュニティを作りたいと思っていました」

現在32歳の南部さん自身もクルマ離れ世代に該当する。中古車販売を手がける中で、「最近は感度の高い若い方を中心にクルマを買う方が増えてきた」と感じているという。

もともとクルマオタクではない若年層は、クルマを所有しても仲間ができにくい事情がある。「誰かがクルマを買った影響で買うことはあっても、オーナーミーティングに参加するハードルは高い。そこで、そういう場を作ろうと思いました」

ヤングタイマー車が若者に売れている理由について、南部さんは「一つはデザイン。規制などで新車にグッとくるものが少ないとメーカーも言っています。また、60~70年代のオールドタイマー車は維持が難しく、世界観も違う。ちょうど中間のヤングタイマー車はデザイン性、扱いやすさ、価格の手頃さが、感度の高い若者にハマったのだと思います」と分析する。

さらに、若者のクルマ選びにはある傾向があるという。「例えばY30系(セドリック/グロリア)のワゴンやバンは人気ですが、これはストリートカルチャーとのつながりがあります。クルマにもファッション同様、山系や海系があり、Y30系のバンはスケボーやヒップホップ好きの若者がこぞって買っています。若年層は速いクルマや高いクルマより、自分のファッションやルーツのカルチャーとマッチするクルマを探している傾向があります」

ロマンティックカーズの今後

初開催のロマンティックカーズでは、来場者が思い思いにコミュニケーションを取る姿が見られた。南部さんは第2回、第3回と継続開催に意欲を示し、「コンテンツの拡充を考えています。今回はランドクルーザーの工具を作るトヨタのサプライヤーに、鉄素材を使ったプレート作り体験を出展してもらいました。イベントの主役は参加者のコミュニケーションなので、自然な出会いが生まれる仕掛けを増やしたい」と語る。

開催場所については、「一般的なカーミーティングは駐車場などロマンのない場所が多いので、大磯のようにロマンあふれる場所でやりたい」とのことだ。

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仕掛け人がゴルフⅡを愛車に選んだ理由

南部さん自身も、1991年モデルのフォルクスワーゲン「ゴルフⅡ」に乗るヤングタイマー車オーナーだ。ゴルフは1974年に初代が登場し、累計販売台数3000万台以上の名車。2代目ゴルフⅡは1983年から1992年に生産された。

南部さんがゴルフⅡを購入したのは10年前、広告代理店のサラリーマン時代。「洋服や音楽のカルチャーが好きで、何かクルマが欲しいと思っていました。子供の頃からクルマ好きで、新車にはグッとこないし、古すぎるクルマは扱えない。この年代のクルマになりました」

なぜゴルフⅡを選んだのか。「社名に入れるくらいベーシックなものが好きです。ファッションもオーセンティックなベーシックスタイルが好きで、身の回りのものもそう。それをクルマに例えると、世界の大衆車と言われるほど売れたゴルフが自分に合っていると思いました」