米国政府は、人工知能(AI)向けの先端半導体の中国への流出を防ぐため、同盟国との連携を強化する方針を固めた。複数の関係筋が明らかにした。新たな規制枠組みでは、日本やオランダなど半導体製造装置やチップ製造で重要な役割を果たす国々との協力を想定している。
規制強化の背景
米国はこれまで、中国への先端半導体輸出を厳しく制限してきたが、同盟国を通じた迂回輸出が後を絶たない。今回の措置は、こうした抜け穴を塞ぐことを目的としている。バイデン政権は、国家安全保障上のリスクを理由に、中国の軍事技術向上に利用される可能性のあるAIチップの輸出管理を強化している。
具体的な協力内容
新たな枠組みでは、同盟国間で輸出許可の審査基準を統一し、情報共有を促進する。また、違反企業に対する制裁を共同で実施することも検討されている。特に、オランダのASMLや日本の東京エレクトロンなど、半導体製造装置メーカーが規制の対象となる可能性が高い。
米商務省の担当者は「同盟国と緊密に協力し、中国が最先端技術を入手するのを防ぐことが重要だ」と述べている。一方、中国は自国の技術開発を加速させる方針で、半導体の自給率向上を目指している。
業界への影響
この規制強化は、半導体業界に大きな影響を与える可能性がある。米国半導体工業会(SIA)は、過度な規制はイノベーションを阻害すると懸念を示している。また、日本やオランダの企業も、中国市場への輸出減少を懸念している。
専門家は、今回の動きが米中技術覇権争いの新たな局面を示すと指摘する。同盟国との協力が実現すれば、中国の半導体調達網はさらに狭まることになる。



