米商務省は8日、半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)に対し、最大66億ドル(約1兆円)の補助金を交付すると発表した。これは、半導体の国内生産を促進するための「CHIPS・科学法」に基づく措置で、米国における先端半導体の製造能力を大幅に強化することを目的としている。
TSMCのアリゾナ工場への投資
TSMCは現在、アリゾナ州フェニックスに3つの半導体工場を建設中であり、今回の補助金はこれらのプロジェクトを支援する。同社は総額650億ドル以上を投じ、最先端の3ナノメートル(nm)および2nmプロセス技術を導入する計画だ。最初の工場は2025年に量産開始予定で、最新のスマートフォンや人工知能(AI)向けチップを生産する。
補助金に加え、米政府はTSMCに対して最大50億ドルの低利融資も提供する。TSMCはまた、米国内の半導体エコシステムを強化するため、従業員のトレーニングや研究開発にも投資する。
半導体サプライチェーンの強化
米国は現在、最先端半導体のほとんどを台湾に依存しており、地政学的リスクが懸念されている。今回の補助金は、半導体のサプライチェーンを多様化し、国家安全保障を強化するための重要な一歩と位置づけられている。
商務省のジーナ・レモンド長官は、「TSMCへの投資は、米国が世界最先端の半導体を国内で生産できるようにするものであり、雇用創出と経済成長に貢献する」と述べた。
TSMCの劉徳音(マーク・リュウ)会長は、「米国政府の支援に感謝する。我々は、最先端技術を米国に提供し、顧客の需要に応えることにコミットしている」とコメントした。
この補助金発表は、半導体業界における米国の競争力を回復するための大規模な取り組みの一環であり、インテルやサムスンなど他の半導体メーカーにも同様の補助金が提供されている。



