日本の半導体戦略、官民連携で復活なるか
日本政府は、かつて世界をリードした半導体産業の復活に向け、官民一体となった大規模な投資計画を進めている。経済産業省を中心に、次世代半導体の国産化を目指すプロジェクトが始動し、その鍵を握るのがラピダス社の工場建設だ。
ラピダスは、トヨタ自動車やソニーグループ、NTTなど国内大手8社が出資する新会社で、2025年までに北海道千歳市に最先端の半導体工場を建設する計画だ。この工場では、2ナノメートル以下の微細化技術を採用し、AIや自動運転向けの高性能チップを製造する予定である。
政府は、このプロジェクトに最大7,000億円の補助金を投入する方針で、民間投資も含めると総額1兆円を超える大型案件となる。これは、台湾のTSMCや韓国のサムスン電子に対抗するための切り札と位置づけられている。
しかし、課題も多い。まず、技術力の回復だ。日本は1980年代に世界シェア50%を誇ったが、現在は約10%にまで低下している。人材不足も深刻で、半導体エンジニアの育成が急務となっている。また、巨額の投資を回収できるかどうかも不透明だ。
一方、経済安全保障の観点から、半導体の国内生産基盤を強化する意義は大きい。地政学的リスクが高まる中、供給網の多元化が求められている。政府は、ラピダス以外にも、TSMCの熊本工場やキオクシアの四日市工場など、複数のプロジェクトを支援し、産業の裾野を広げる戦略だ。
専門家からは「官民連携の成功例となるか、それとも無駄な投資に終わるか、今後の実行力が問われる」との声が上がる。日本の半導体復活は、技術革新と持続可能なビジネスモデルの構築にかかっている。



