ワイヤレスイヤホンの充電切れや接続切り替えに悩む人に向けて、100円ショップ「ワッツ」で見つけた「C端子 有線EP インナーイヤー型」(型番362330)を紹介する。USB Type-C端子に直接挿せる有線イヤホンで、価格は330円。DAC内蔵で変換アダプター不要、リモコンマイク付きだ。
昔のiPhone付属イヤホンを思わせるデザイン
本体はホワイトで、左右のイヤホンから白いケーブルが伸びるシンプルなデザイン。形状は、かつてiPhoneに付属していたApple純正の有線イヤホン「EarPods」に近い。装着方法はイヤーチップを使わず、そのまま耳へ差し込むタイプで、耳の穴をふさがないため着脱は簡単だ。
一方、耳の形によってフィット感が大きく変わり、筆者の耳では少し滑りやすく、動くと抜け落ちそうになることもあった。ノイズキャンセリング機能はなく、遮音性も低め。周囲の音を抑えて音楽へ集中したい人には不向きだ。
音はチープ、低音も逃げやすい
実際に音楽を聴くと、第一印象は「軽い音」。低音が薄く、全体的にスカスカした感じで、音の厚みや迫力はあまりない。330円という価格を考えても、音楽をじっくり楽しむ用途では物足りなさが残る。原因のひとつはフィット感で、イヤーチップで耳をふさがないぶん、すき間から低音が逃げてしまう。
角度を少しずつ変えて一番クリアに響く位置を探すと、無理のない範囲でやや奥まで差し込むと低音が強まった。とはいえ、劇的に音が良くなるわけではない。自宅に残っていたiPhone付属のEarPods(3.5mmヘッドフォンプラグ)と聞き比べると、形はそっくりでも音はまるで別物で、EarPodsのほうが低音に厚みがあり、比較にならないほど優れていた。ただし、EarPodsはMacBook Proの3.5mmジャック、本製品は同じMacBook ProのUSB-Cポートへ接続しており、出力経路が異なる点はお断りしておく。
ビデオ通話やWeb会議なら十分使える
音声が中心の用途では印象が変わる。ビデオ通話やWeb会議、トーク中心のYouTubeであれば、声は聞き取りやすく、特に不満なく使えた。ケーブルの途中にはリモコンマイクを搭載し、口元に近い位置にマイクが来るため、通話やWeb会議では安定して声を拾ってくれた。スマートフォンを机の上に置いたまま話せるのもポイントだ。
リモコンは左側のスライドボタンで音量調整、右側の丸いスイッチボタンで再生・停止や通話の開始・終了ができる。2回押しで曲送り、3回押しで曲戻し、長押しで音声アシスタントの起動という割り当てだ。330円のイヤホンでここまで操作できるのはグッドで、有線なのでコントローラーを手元に引き寄せて、ボタンの位置を目で確かめながら押せる。ただし、2回押しと3回押しの押し分けには少しコツが要り、ゆっくり押すと1回押しと判定されて音楽が止まってしまう。慣れるまでは何度か空振りした。
パッケージには「接続する機器やアプリケーションによっては操作できない場合があり、全ての動作を保証するものではございません」との注記がある。すべてのアプリで全機能が使えるとは限らない点は頭に入れておきたい。
充電切れも音の遅延もなし
有線イヤホンならではの安心感も見逃せない。USB Type-C端子へ挿せばすぐに使え、イヤホン自体の充電は不要。バッテリー切れやペアリング、接続先の切り替えに悩まされず、音の遅延や接続トラブルもなかった。ただし、USB Type-C専用で、3.5mmのイヤホンジャックには接続できない。パッケージにも、Type-C端子からの音声出力に対応していない機器では使えない旨が明記されている。
有線イヤホンはケーブルが服やバッグへ引っ掛かるわずらわしさもあるが、必要なときに確実に使えるのは便利。普段はワイヤレスイヤホンを使っている人も、サブ機としてバッグへ入れておくと安心だ。フィット感や遮音性を重視するなら、ワッツではイヤーチップ付きのカナル型USB Type-C有線イヤホンも販売されている。
まとめると、ワッツの「C端子 有線EP インナーイヤー型 362330」は、音の軽さや低音の弱さ、耳から抜けやすい場合があることなど、気になる点がはっきりした製品だ。音楽鑑賞用として積極的に選びたい音質ではなく、遮音性を求める人にも向かない。その一方、330円でDACとリモコンマイクを内蔵し、USB Type-C端子へ挿すだけで使える手軽さはグッド。ビデオ通話やWeb会議、トーク動画の視聴用と割り切るなら十分実用的で、ワイヤレスイヤホンの充電切れに備える予備として、ひとつ持っておいて損はないだろう。



